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第14章(3)紫夕side
14-3-2
しおりを挟む雪が人としての心を取り戻した時、こんな生活をさせられていたと覚えていたら……どう思うんだろうな?
「……ごめんな、雪」
そう思いながらも、謝りながらも、解放してやる事は出来ない。
俺がやったブランケットを離さず眠っている姿を見ると、実はほんの少しでも人の心が残ってるんじゃないか?って期待しちまうんだ。
次に目覚めた時、「紫夕」って、また俺の名前を呼んでくれるんじゃないか?って……。
「雪、愛してるぞ……」
そう呟いて、前髪を撫で上げた額にそっと口付ける。
どんな風に変わってしまっても、その想いは変わる事はない。
きっと誰に何と言われようと、どんな目で見られようとも……。俺には雪と離れるという選択肢はなかったんだ。
……
…………そして。
そんな生活が、また数日続いたある日。
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