スノウ2

☆リサーナ☆

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第13章(5)雪side

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「っ、やっぱり!紫夕しゆうさんはコイツに騙されてたんだッ……!!」

「おかしいと思ったんだよ!第1隊長が急に守護神ガーディアンを辞めた、なんて!!」

「全てはコイツだ!!
真白ましろ ゆき……っ、いや!人型魔物が、全ての元凶だったんだッ!!」

その隊長達の言葉を聞いて、無事に一つ目の目的を達成出来たオレはホッとしていた。

これで、大丈夫。
紫夕しゆうは人望が厚いから、きっとすぐに疑いは晴れて元の生活に戻れるーー……。

そしてオレは、もう一つの最期の目的に向かって動き出す。
オレは再び氷の矢を造り出すと海斗かいとに向かって放ち、彼の頬に掠めさせた。

「……さぁ。来いよ、海斗かいと

そう言うと、傷付いた頬から流れ出た血を拭った海斗かいとが……。俯いて、瞬海しゅんかいを握る手に力を込めた。
オレは、もう少し、と。背中を押すように言う。

「お前の下手な狙撃でオレを撃てる?
さぁ!遊ぼう!命を賭けたゲームをオレとしようよッ!!」

「ーー……っ、ぅぁあああーー……ッ!!」

すると。オレの笑い声をかき消すように声を上げた海斗かいとが、こっちに向かって瞬海しゅんかいの弾丸を放った。

ーー……うん。
それでいいよ、海斗かいと

最初の弾丸はオレに当たる事なく、近くの木に当たって爆発した。
その木が倒れ、ぶつかった木が倒れ、一瞬遮られる視界。でも、次にハッキリとオレの瞳に映る海斗かいとは、その目にしっかりと目的ターゲットを定めていた。
その眼差しを見つめ返しながら、オレは思う。

どうせなら、この任務が海斗かいとの手柄になって……出世、してほしいな。

海斗かいとは以前に言っていた。

「強くなって、出世して、立派になりたい!
そんで、杏華きょうかさんと結婚したいんだ!」……って。

オレ、海斗かいとは良い先輩にも、隊長にもなれると思う。
優しくて、あったかくて、きっと紫夕しゆうみたいな存在にいつかなれると思う。
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