スノウ2

☆リサーナ☆

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第13章(5)雪side

13-5-1

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「ボクは仮屋崎かりやざき 海斗かいと!一年前から第1部隊に入ったんだ!
よろしくな、ゆき!」

海斗かいとは、初めて会った時から笑顔だった。
いつも元気いっぱいで、よくしゃべって、明るくて……。オレとは全然違う男の子だった。

あがり症で、ビビりで、全然戦力になれない、って落ち込んでた時もあったけど、誰よりも訓練して頑張ってた。
それに、海斗かいとの明るさや元気があったから、第1部隊はあんなに賑やかで楽しい雰囲気だったんだと思う。
間違いなく海斗かいとは、みんなにとって必要な存在だったよ。

「なっ、ゆき!ゲームやろうぜ!」

「なあなあ、ゆき!今日の杏華きょうかさん、また一段と綺麗だよな~?」

大した反応も返事も出来ないのに、いつもオレにも積極的に絡んでくれた。
そんな海斗かいとをいいな、って思ってたし、すごくすごく、大好きだった。

オレに少しずつ感情が出てきて、話せるようになった時も、すごく嬉しそうにしてくれて……。

「今度お泊まり会しようぜ!ボクの家に来いよ!
ゆきと二人、歳の近い男友達として一晩中色んな事話したいんだ!」

そう、言ってくれたよね?


ーー嬉しかった。

あの時は驚いて、すぐに答えられなかったけど、本当に本当に嬉しかったんだ。

ねぇ、海斗かいと
あの時の誘いは、まだ、"今のオレ"でも有効なのかなーー……?

ーーーうん、行きたい!
オレも、海斗かいととたくさん話したい!!ーーー

……
…………なんで。
そう、笑顔で答えられるのが、今なんだろうね?

……
…………。

「ハァ……ハァ……っ」

っ、駄目だ……呼吸、整えないと……ッ。

オレは大きな木の幹に手をつくと、もう片手で胸を押さえて上がった呼吸を落ち着けようとした。
洞窟を飛び出してここまで駆けて来たのはいいが、こんな乱れた呼吸では紫夕しゆうの安全を確認する前に、先に自分が守護神ガーディアンに見付かってしまう。
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