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第13章(2)雪side
13-2-4
しおりを挟む「……、……もう、いいか」
その瞬間。
自分の顔を見て、そう呟いて苦笑いを溢す。
「もう、我慢しなくて……いっか」
手と同様に、固まった血液で真っ赤な顔を見つめながら、オレは自分に言い聞かせるように言った。
「どうせ、もう……戻れない、もんねっ?」
瞳から溢れそうな涙が落ちる前に、川の水をすくって、バシャッと自分の顔にかけた。
そう言い聞かせなきゃ。
自分で自分を許してあげなきゃ……。もう、息をする事さえ苦しかったんだ。
……
…………。
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