スノウ2

☆リサーナ☆

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第11章(3)雪side

11-3-6

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車の荷台でそっと包んでいた上着から出してやると、紫雪しせつはすぐに隅の物陰に隠れてしまい、ずっと震えながら警戒するようにオレを見つめている。

あんなに人懐っこくて、オレの膝上が大好きだったのに……。

怯えた瞳で見つめられて、ショックが隠し切れなかった。
思わず涙が溢れて、その涙が紫雪しせつに引っ掻かれた頬の傷に触れて染みる。
でも、そんな傷の痛みよりも、心の方がずっとずっと痛かった。

「……っ、……ごめんね、ッ」

自分のせいで、紫雪しせつに怖い思いをさせてしまった。
そしてきっとこれからも、オレと一緒に居ると言う事は怖くて、危険な事の連続なのだ。

っ……強く、なりたい。
紫雪子供を護ってやれなくて、何が家族だよ……ッ。

悲しくて、悔しくて、己の無力を嘆いた。

けれど、泣いている場合ではない。
オレは涙を拭うと、紫夕しゆう紫雪しせつと一緒に居る為に自分に何が出来るのか?二人の為にどうすればいいのかを考えた。

……
…………。
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