スノウ2

☆リサーナ☆

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第11章(2)紫夕side

11-2-7

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必死に俺に返事を返そうとして……。でも、涙が止まらなくて言葉を詰まらせて、ただ、俺の名前をひたすら繰り返して呼ぶ、子供のような姿。
そんなゆきを見て、俺はよりいっそうその存在を愛おしく思った。

ゆき
一緒に見付けよう。一緒に生きられる未来を」

俺がそう言うと、上手く出ない言葉の代わりに何度も頷くゆき
俺はポケットから自分の指輪も取り出すと、ゆきの手にそれを渡した。

「俺にも、はめてくれるか?」

「っ、……う、んっ」

そしたらゆきは、俺の左手をそっと取って、薬指にお揃いの指輪をはめると……。

「ーーゆき、最高に綺麗だ」

思わず、そう言葉に出てしまう程に、幸せそうに微笑ってくれた。

祝福の鐘も、ドレスも、ブーケもなくても。俺の瞳には、ゆきがこの世で1番綺麗な花嫁に見えた。


俺達は、三日月と満天の星に見守られながら愛を誓って、口付けた。
すると、寒くないのに、空からチラチラと粉雪が降ってきて……。きっと、サクラさんが親父と一緒に俺達を見に来てくれたんだ、って思った。

ゆきは暫く夜空を見上げていた。
でも、スッと立ち上がると、

「……紫夕しゆう
もう一回、……抱いて」

羽織っていた服をパサッと脱ぎ捨てた。
粉雪が舞い落ちる中に浮かぶ、一糸纏わぬその姿を、俺は生涯忘れないだろう。

「……ああ」

自らも立ち上がり、その細い身体を抱き寄せる。
自分の欲を満たす為じゃなくて、愛おしい人に愛を伝える為に、抱きたいと思ったんだ。

「今日だけ、特別に。……いっぱい、していいか?」

言葉の代わりに頷いてぎゅっと抱きつくゆきを抱き上げると、俺はジープの寝所スペースに移動した。
そして今度は、ゆきの全てをじっくり目に焼きつけながら、ゆっくり触れていった。

このまま一緒に、死ねたらいいのにーー……。

その夜は、そう思える程に、大切で愛おしかった。

……
…………。
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