スノウ2

☆リサーナ☆

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第10章(3)雪side

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けど、立ち止まってくれた紫夕しゆうがゆっくりと振り返って、顔を合わせられた瞬間。オレの胸は、また比べ物にならない位熱くなるんだ。

っ、オレ……馬鹿だ。
こんなに好きなのに、離れられる訳ないじゃん……ッ。

そして、改めて再確認する自分の気持ち。

何故離れようとしたんだろう?
何でもっと、自分の気持ちを大切にしなかったんだろう?
紫夕しゆうに言うべきだった言葉は、もっとたくさんあったんだ。
難しく考える前に、素直に言っちゃえば良かったんだ。

もっと構って。
一緒に居たい。
一緒にお風呂入りたい。
もっともっと、触れ合いたい。

恥ずかしくて、ずっと隠してた気持ち。
それから……。

オレが魔物でも、一緒に居てほしい。
一緒に、居てくれる?

いつかオレが人じゃなくなっても、愛してくれるーー……?

……そう、怖くて聞けなかった気持ち。
紫夕しゆうの幸せだ、って理由にして、オレは自分の弱さを隠して、逃げてたんだ。

今度こそ、言わなきゃ。
相手の気持ちを探る前に、自分の気持ちをーー……!!

オレを見つめていた紫夕しゆうが、一歩踏み出して、こっちに歩み寄って来てくれる。
オレも行かなきゃ、と足を前に踏み出そうとした。
けど、その時ーー……。

「ーー遅かったッスね、紫夕しゆうさん」

!っ、……響夜きょうや

オレの後を追って来ていたのだろうか?
響夜きょうやが、オレと紫夕しゆうの間に立ち阻んだ。
しかし。その登場に驚くオレをよそに、紫夕しゆうも一瞬驚いた表情をしたものの、すぐに響夜きょうやと会話を始める。

「約束通り、ゆきは返してもらうぞ」

え?……約束?

「あれ?今の場合、紫夕しゆうさんが見付けた、って言うよりは、コイツが見付けたんじゃないッスか?」

え?……え?

「う、っ……。細かい事言うなよ。
とにかく、時間内にゆきと会えたんだからいいだろっ?」

時間内、って……何が???

二人の会話が、オレには意味不明だった。
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