スノウ2

☆リサーナ☆

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第10章(1)雪side

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「何だよ、ちゃんと分かってるんじゃねぇか」

「!……え?」

「お前な、もっと自信持て。謙虚なのは悪くねぇけど、あんまビクビクオドオドしてるのも良くねぇぞ?」

「っ、……」

響夜きょうやの言動に目をぱちくりさせると、彼はそう言葉を続けた。
そして、オレの背後に回ると……。オレが髪を結んでいたリボンを解いて、何やら髪をいじり始める。

紫夕しゆうさんはな、お前が倒れてからホントに必死だったんだ。一途にずっと、お前だけを見て、想ってたんだ。
それなのに、お前がそれを否定したら……そりゃショックだわな」

「っ……」

「お前は、何でそんなに自分に自信がないんだよ」

「え?」

「魔物だからか?それとも、自分が紫夕しゆうさんに似合ってない、って思ってんのか?」

「……っ、……ど、どっちも」

「ふーん……」

「……」

「……」

質問にオレが答えると、響夜きょうやの「ふーん」の後に暫しの沈黙が流れた。
その間響夜きょうやは何やら、黙々とオレの髪を触ってる。

「……、……ねぇ?」

「ん?」

「なに、してるの?」

「もうちょい待て」

意を決して尋ねるが、響夜きょうやは手を止めない。
仕方なくじっとしていると、「よし!」って彼の言葉と同時に手が止まった。
その声に振り返ろうとすると、そんな間も与えてもらえず、響夜きょうやはオレを抱き上げると屋根の上から飛び降りた。
そして、オレを地面に降すと手を繋いで歩き出す。響夜きょうやが向かうその先は、たくさん人がいる通り。

「!……っ、ま、待って!」

隠さなきゃーー。

このままではまた目立ってしまうと思ったオレは、咄嗟に髪と瞳を隠そうとパーカーのフードを被り直そうとした。……けど。

「ダメだ」

「!っ、……響夜きょうや?」

「隠すな。そのままでいい」

響夜きょうやに両手を掴まれて、動きを完全に封じられてしまう。
力を込めても、押しても、引いてもビクともしない。
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