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番外編 響夜side
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しおりを挟むホント、サクラにそっくりになったなーー……。
サクヤの成長した姿が、僕の人としての心を締め付ける。
見てよかった、と言う気持ちと、見なければよかった、って気持ちが交差した。
自分はサクヤの兄であり、サクヤには揺るぎない想いを寄せてる相手がいる。
どう転がっても、サクヤの心が僕に向く事はない。
サクラが三日月を見つめていたように、サクヤは夕陽を見つめている。しっかりと明るい方へと惹きつけられているサクヤが、暗い暗い闇夜に振り向いてくれる事などないだろう。
ーー……それで、いいんだ。
だからせめて、笑顔で居てくれ。
泣かないでくれ。
自分が普通の人間じゃない事に苦しまないでくれ。
引き目を感じる事なんてない。
お前は、誰よりも綺麗だよーー。
……
…………さぁ、約束を果たすか。
僕に人の心が残っているうちに……、……。
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