スノウ2

☆リサーナ☆

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第6章(3)紫夕side

6-3-2

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そんな、俺から見てもすげぇ能力ちからを持つゆきたちばながいつまでも野放しにしておくとは考えられない。
それに、朝日あさひが言っていた言葉も気になる。

「これから先、サク君あの子と居るという事は貴方にとって"普通ではない事"がたくさん起こってくるでしょう。
その様々な事態から目を逸らさず、失いたくないのなら、しっかりと向き合って下さい」

たちばなさんが、貴方とサク君を一緒にーー……」

たちばなが、俺とサクヤを一緒にーー……?

「俺が一緒に居る事で、何か起こるのか……?」

そう考えれば、俺がサクヤと暮らしたい、と申し出た際にたちばながあっさりと了承した事にも頷ける。

何か思惑があって、自分にとって利益や楽しみがあるから俺にサクヤを任せたんだーー。

そう、考えがまとまったら、何だか無性に不安と心配に駆られた。
俺は斬月ざんげつを持ったまま立ち上がるとブーツを履き、家の外に居るサクヤの元へと走った。

「っ、サクヤ?……サクヤ?何処だっ?!」

名前を呼び、辺りを見渡す。
しかし、姿が見えない。家の周りを一周してみるが、サクヤの姿は見当たらなかった。
遠くへは行かない、と言っていた。30分経ったら家に戻る、と約束した。
これまでのサクヤを見ていて、とても約束を破るように思えなかった俺が"まさか"と思うと、それと同時に手に持っていた斬月ざんげつがチカチカと輝いた。そして……。

「!っ、……この先の、原っぱ?」

初めて、俺に斬月ざんげつの声が、聞こえた気がした。
錯覚かも知れない。けど、確かに感じた。

っ、まさか……サクヤの身に何か?!

心に直接語り掛けられたような斬月ざんげつの声に、俺はすぐさまその場を駆け出し原っぱを目指した。

頼む、気のせいであってくれーー……。

そう心の中で祈った。
走りながら、「どうしたの?しゆー」って、慌てる俺にあっけらかんと言うサクヤの姿を想像した。

……
…………だが。
俺の祈りとは裏腹に、原っぱに着いた俺の目に飛び込んで来たのは、目を疑う光景。
風磨ふうまの手によって喉を絞められているサクヤの姿だった。
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