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第4章(2)紫夕side
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しおりを挟む「……がんばった、あかし?」
「そうだ!サクヤは痛い事も、辛い事も頑張って乗り越えたんだ!えらい、えらい!」
頭を撫でながら、笑顔でそう言ってやった。すると、サクヤが瞳を揺らしながら言う。
「っ、……サク、おりこうさん?」
「ああ!こんなにお利口で、頑張り屋で優しい子、なかなかいないぞ?」
「っ、……~~ッ」
「だから、俺はお前が大好きだ。絶対に絶対、お前を嫌いになったりしない」
お前が大好きだーー。
どさくさに紛れて、つい、言っちまった。
サクヤがその言葉を、俺の本当の意味で受け止める事はないと分かっていたが……。俺の言葉を聞いたサクヤの瞳があっという間に潤んで、綺麗な水色の目から大粒の涙が今にもポロポロと溢れ落ちそうだった。
でも、そんな状態なのにまだサクヤは歯を食いしばって、必死に必死に涙を堪えようとしている。
「泣いて良いぞ」って言っても、多分素直に泣かねぇんだろうなーー……。
そう思った俺は自分の上着をサクヤに被せて、顔が見えなくなるように抱き寄せて言った。
「あ~、風が吹くとちょっと寒いな?サクヤ、俺の事あっためてくれ」
多分、俺の人生の中で上位にランクインする位にクサい事をした。
そしたらサクヤの手が俺の背中に回って来て、ぎゅぅっと抱きつかれると同時に「うわぁあ~ん」って、大きな泣き声が上がるのはすぐだった。
笑顔も泣き顔も、どんなお前でも大好きだーー。
桜に優しく見守られながら、俺はサクヤが泣き止むまでずっとずっと抱き締め続けた。
……
…………。
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