スノウ2

☆リサーナ☆

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第2章(2)紫夕side

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***

スノーフォールが毎回姿を表すのは山岳地帯。そのふもとまでは、たちばなが用意してくれたワゴン車で向かう事になった。
運転手の隣の助手席に響夜きょうや。後部座席には、俺と風磨ふうま

俺が風磨ふうまと顔を合わせるのは、ゆきの母親であるサクラさんが遺したSDカードのパスワードを解除してもらった時以来。
あのSDカードによって、たちばな守護神ガーディアンの研究者として働く裏で、様々な悪事や企みを持っている事が判明し……。その中で、サクラさんがたちばなの手によって造りだされた人型魔物である事。そしてゆきが、サクラさんとたちばなの息子である事など、様々な秘密が分かった。

風磨ふうまは、どこまで知ってんだーー?

解除したSDカードを渡された際は「中身を見ていない」と言っていたが、さっき「俺に力を貸す」と言った風磨ふうまはある程度の状況を理解しているようだった。

「絶対にゆき君を救おう」
あの台詞は、俺がスノーフォールを討伐したい理由が分からないと言えない言葉だーー。

色々あり過ぎて、話したいものの上手く言葉が出て来ない俺が横目で何度か様子を伺うようにチラチラと見ていると、風磨ふうまが突然「フフッ」と笑った。

「まずは、僕が何故ここに居るのか答えようか?」

「!っ、……ああ」

質問したかった事の一つを言い当てられて、思わずドキッとした。
けれど、その後に続く風磨ふうまの言葉に、俺は呆気に取られて緊張を解される。

「お前とゆき君の力になりたかったんだ」

「!……へ?」

穏やかな微笑みを浮かべながらそう言われて、思わず気の抜けた声が出てしまった。そんな俺を見て風磨ふうまは「ハハッ」と笑うと、言葉を続ける。

「実はね、僕にも出来たんだ。大切な人が」

「っ、それって……」

「だから、紫夕しゆうの気持ちが分かる、って言ったらいいのかな?ゆき君を救いたい、って思ったんだ」

風磨ふうまに、大切な人ーー。

それは、付き合いの長い彼から聞く初めての言葉だった。
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