スノウ2

☆リサーナ☆

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第1章(5)紫夕side

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「そんな事ない。ゆきちゃんを想う紫夕しゆうちゃんは、ものすっごくかっこ良かったわよ?アタシ、見直しちゃった。
それに紫夕しゆうちゃんは、1番大切なゆきちゃんの心をしっかり護ってあげたわ。……ほら、見て?」

その言葉に顔を上げると、マリィが笑顔で俺の背後を指差していて……。ゆっくりと、その指の先をみるとーー……。

「……っ、ゆき?」

目を疑う。
いつの間にか、俺の近くにゆきが来ていた。今まで絶対に、自分から歩み寄って来る事なんてなかったゆきが、俺の傍に居たのだ。
ゆきは、相変わらず微笑ったりはしない。無表情で、ただ俺を見つめていた。
でも、行動で表すように、手に持っていたブランケットを広げて、俺を包むように掛けてくれた。俺が最初にブランケットをやった、あの時のように……。

俺の気持ちは届いている、と、伝えてくれているようにーー……。

その瞬間、俺は思った。

絶対にコイツを、世界一幸せにしてやるんだ、ってーー。

「っ、……ゆき。俺と暮らそう」

気付いたら、俺はゆきを抱き締めて、そう言っていた。
自然と、無意識に、いつの間にか抱き締めてしまっていて、ゆきが怖がっていないかハッと不安が過ぎったが……。震えていない事を確認すると、もう一度言う。

「俺と、一緒に暮らそう。
絶対に絶対に、俺がお前を護ってやるっ」

俺のその言葉に、腕の中で小さくゆきが頷いて……。俺とゆきの生活がスタートした。


思いっきり、甘やかしてやろうと思った。
過保護だって言われても良い。俺が与えてやれる全部で、幸せにしてやろう。
ゆきがいつか自分の人生みちを見付けるまで。好きな相手を見付けるまで。「幸せだ」って、笑顔で言ってくれるその日まで、俺が護ってやるって誓ったんだ。

新しい家に引っ越して一緒に住み始めた当初、ゆきはやはり部屋の角隅でしか寝付けなくて、せっかく買ってやった良いベッドを使えるようになるまで一年以上かかった。
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