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(4)リディアside
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…………。
ヴァロンが15歳になった。
私と目線が、同じになった。
下剋上を成功させた彼は、金バッジになった。
どんどん、どんどん……良い男になっていく。
2月のイベントで、夢の配達人の中で1番ファンから届いたお菓子が多いのはヴァロンだった。
雑誌の人気投票でも、1位になって。
ファンレターや依頼の手紙にも山程、”好きです”とか”付き合って下さい”とか……。
見付けた私は、密かにヤキモチを妬いて捨てていた。
「……お前に、そんな表情をさせる男が現れるとはな?」
マスターに見付かって、からかわれた。
「早く告白せんか。
いつまでも、あいつも子供じゃないぞ?」
そう言われたけど……。
もし、告白してダメだったら?
師弟関係が崩れたら?
もう、一緒にあの家に住めなくなる。
お互い忙しい中、あの家で二人きりで顔を合わせる時間はとても貴重だった。
恋には不器用な私。
どんなに戦略を立ててもダメ。
ヴァロンを前にすると、つい恥ずかしくてキツい口調になってしまう。
心の中では彼の言葉や行動が嬉しいクセに、すごくキュンキュンしてるクセに……。
この前もせっかく作ってくれたご飯を、「まだまだね!」って言ってしまった。
せっかく私の好きな物を作ってくれたのに……。
今までの師弟関係。
ずっと姉と弟みたいな立場だった私達。
それが長かったせいもあり、私はなかなか素直になれなかった。
……。
私は悩む度に、サヤの所に行って相談していた。
ヴァロンがあの日助けてくれたお陰で、私とサヤの友情もずっと続いている。
そして、彼があの日救った小さな命。
サヤとギルバートの愛娘アカリちゃん。
可愛い笑顔で、いつも私を癒してくれる。
その度に、ごめんなさい。
生まれて来てくれて、ありがとう。
と、私は心の中で呟いていた。
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