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第11章 (2)アカリside
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しおりを挟むな、なにも……着けてない、て。
それはつまり、裸。
服も下着も脱ぐという事。
いきなり最初から裸なんてさすがに恥ずかしくて、私は目を泳がせた。
「……アカリの素肌に触れたい。一緒に、触れ合いたい」
戸惑う私にそう言って、ヴァロンは少し離れると……。ネクタイを緩めてシュルッと外し、自分のシャツのボタンを外し出した。
その仕草に、ドキンッと鼓動が跳ねて……。泳いでいた筈の視線が、今度は彼から逸らせなくなる。
私が恥ずかしがるから、きっとヴァロンは先に脱いでくれるんだ……。
彼の優しさにキュンッとして、胸が暖かくなる。
……。
けど、次の瞬間。
私は自分が先に脱がなかった事を後悔した。
パサッとシャツを脱ぎ捨て、露わになったヴァロンの上半身。
「ッ……!!」
う、わぁ……っ~~。
驚きのあまり声が出なくて、私は心の中でキャーキャー叫び声を上げた。
初めての見るヴァロンの上半身はまるで……。
そう!美術の彫刻品のよう。
引き締まってバランスのとれた筋肉。
逞しい肩、腕、胸板……。自分が変態なんじゃないかと思う位、彼の裸に興奮してドキドキが止まらない。
ちょ、ちょっと待ってよっ……!
あんな綺麗な身体見せられた後に脱ぐなんて……。
どんな拷問よッ……!
真っ赤になりながらあわあわと見つめている私を、ヴァロンは自分の髪をクシャクシャと崩しながら……。長い前髪の隙間から覗いて、フッと笑った。
「!っ……」
ぜ、絶対に自分が格好良いって自覚してるッ!
ずるいっ……ずるいよ~っ!!
自分に自信が持てなくて俯く私。
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