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第7章 (3)ヴァロンside
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しおりを挟むっ……負けてッ、たまるか……ッ!!
俺はグッと力を込めて後ろに跳ぶと、背後の壁にリディアをバンッ!!とぶつけた。その衝撃で一瞬怯む彼女の力。
今、っ……だッ!!
俺は自分の腕を背後にいるリディアの後頭部に回して前のめりになると、そのまま背負い投げするように彼女を床にバァンッ……!!と、叩き付けた。
「っ……!
ハァッ……ハァッ……。っ……」
リディアを倒したのは、柔らかいカーペットの上。
俺は彼女を解放すると、ゆっくり後退りするように離れて呼吸を整える。
さっきまで締め付けられていた喉を押さえながら、リディアを見つめていると……。仰向けに倒れていた彼女が、グッと身体に力を込めて身を起こし出した。
「トドメを刺せ!」と……。勝負に勝ちたいと叫ぶ俺がいる。
でもーー。
「もう、いい……ッ」
俺はゆっくり立ち上がるリディアを見て、首を横に振った。
「これ以上戦いたくない!」と、泣き叫んでる俺がいる。
とっさに、俺はあんたを叩き付ける場所を選んでた。大事な勝負の場面で、手を抜いた。
あんなに憎いと思った。
悔しいと思って苦しんだ。なのに……。
俺はやっぱり、あんたが好きだ。どうしようもない位、リディアを愛してる……。
俺は、リディアに勝ちたかった訳じゃない。俺は、あんたに認めて欲しかっただけだ……。
俺にはリディアを、傷付けられない。
倒す事なんて、出来ないんだ……。
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