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第6章 (2)アカリside
2-4
しおりを挟む「……うんっ」
私は頷くと、振り返ってヴァロンに抱き付いた。
「シュウさんに、また遊びに来てもらってね?今度はハーブティーに合うお菓子焼いておく」
「……ん。アカリ、ありがと」
私の提案に喜んで、彼は微笑んでくれた。
……けど。
「!……い、ひゃい……っ」
突然私はヴァロンに頬をむぎゅっと摘まれる。
な、なんで?
と目をパチクリさせる私を、ヴァロンが意地悪そうに見つめた。
「……男と密室で二人きりは禁止。
例えシュウでも、俺だって妬くよ?」
「っ……」
その言葉が嬉しくて、私は頬を押さえながら一瞬で笑顔に変わる。そんな私の頭をヴァロンはポンポンッと撫でてくれた。
そして……。暫くして、真剣な表情で私を見つめた。
「?……ヴァロン?」
雰囲気の変わったヴァロンに、私も思わずに真顔になって見つめ返す。
「たくさん、心配かけてごめん。
……。不安にさせて、ごめんね」
今までに見た事ない。生まれ変わったみたいな、ヴァロンの表情。
「俺の話、聞いてくれる?
俺と、リディアの話……アカリに聞いてほしい」
大人な、落ち着いた口調で彼は言ってくれた。
受け止めたい。ヴァロンの全てを……。
「……うん、聞かせて。
私、ヴァロンの事を……もっと知りたい」
私達は、顔を合わせて二人で笑顔で頷いた。
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