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第5章 (2)ヴァロンside
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しおりを挟む隠し撮りされたいくつもの写真。
誰から入手したのか、許可した覚えもない写真ばかりだった。
俺はこの雑誌の記者達に嫌われてる。
理由は簡単。俺がこの雑誌の取材に、一度も応じた事がないからだ。
だからいつも、憶測である事ない事を書かれ続ける。
俺の名前を使えば、俺のネタを題材にすればこの雑誌はいつも飛ぶように売れた。人間は不思議な生き物だから、謎に深まれたものを知りたいと興味を持つ。
それが例え、知られたくないと本人が思っていてもだ。傷口を、平気で抉るような真似するんだ。
……なんだ。
必死に隠してきたのに。守ろうとしてきたのに……無駄だったんだ。
アカリも、そっち側の人間……なんだ。
ーー完全に、卑屈になっていた俺。
今までのアカリを見ていたら、彼女がそんな事する人間じゃないって……。分かっていたのに。
ただ、無邪気に。純粋にアカリは俺が載った雑誌を見たかっただけだ……。
でも、俺は……。リディアの命日をネタに書かれたこの雑誌が、完全に引き金になって、壊れた。
好きに書けばいい。
誰でも、読めばいい。
でも、リディアを俺への嫌がらせのネタにすんなッ……!!
俺が開いていた雑誌をパンッ!と勢い良く閉じると、その音にアカリはビクッと身体を揺らした。
そんな彼女にゆっくり身体を向けて、雑誌への怒りを秘めた表情のまま……。瞳を合わせた。
「……ねぇ?ここに書いてある事が本当だったら……。アカリどうする?」
左手に持った雑誌を、自分の顔の横に並べて俺は首を傾げて笑った。
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