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第3章 (4)シュウside
4-4
しおりを挟む「……んでさ。いっぱい喧嘩?して……。仲直りしようぜ!」
「!……えっ?」
ヴァロンの提案に、私は口に押し付けられた林檎を棚に置くと呆気に取られる。
け、喧嘩って……。そもそも。私が一方的に避けていただけで、ヴァロンは全く悪くないのに……。
何故そんな考えになるんだ?
……それに。
私のヴァロンに対する気持ちは、消せない。そんな簡単に解決するような問題じゃ……。
「で、仲直りしたら……。俺が明日からお前の分まで仕事してきてやるよ!」
「!……は?」
「お前はここで仕事の情報とか対処とか考えて、俺は実際に現場に行って仕事をする!
……どうだ?なかなか名案じゃねぇ?」
説得力があるような、ないような……。ヴァロンの無茶苦茶な言葉。
それなのに……。
何故、こんなにも嬉しくなるんだろう?
「お前言っただろ?
『最高位の証である白金バッジを取得して、一人でも多くの夢や願いを叶えてあげたい』……」
ーーそれは何気なく言った、私の夢。
ついさっき、私が諦めようとした……夢。
「俺が引き継ぐ。必ず白金バッジを持って来て、お前に見せてやる!
俺にしか出来ねぇ事だと思うだろ?」
「っ……ヴァ、ロン……?」
どこまで自信満々で……。自意識過剰なんだろう?
……でも、ヴァロンなら。と、思う。
彼なら、きっと何年かかっても……叶えてくれる。
「……そんな訳だから。これは没収するからな~!」
俯いた顔をハッと上げると……。そこにはさっき私が掛け布団の中に隠したナイフを持って勝ち誇ったように笑う、ヴァロンの姿。
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