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第3章 (3)シュウside
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しおりを挟む実感したーー。
私のリディアに対する想いは、恋ではない。女性として美しい、彼女への憧れ。
ああなりたい。自分が本来生まれたかった姿だったのだ、と……。
そして、ヴァロンに対する想いこそが……。
「っーー……!」
嘘だッ……!そんなっ、馬鹿な話……。
私は、男で……彼も、男なのにッ……?!
「?……シュウ?
んだよ、どっか具合悪いのか?」
動揺する私に気付いたヴァロンが、顔を覗き込んで額に……。大きな手で触れてきた。
”シュウ”……。何度も呼ばれてきた筈の名前に、胸が鼓動を立てる。
顔覗き込まれて、ゾクゾクする。
ヴァロンの手の温もりに、どんどん熱くなる頬と身体。
「っ~~……止めてくださいッ!!」
心臓が爆発するかと思った。
ヴァロンの手を振り払って、私はそのままその場を走り去った。
ーーどうしていいのか、分からなかった。
自分が怖くて、気持ち悪いとすら思った。
ヴァロンの言葉、声にさえ感じる。
あの瞳に見つめられたら、おかしくなる。あの手で触れられたら……。
私はもっともっと、彼が欲しくなる。
自室に戻って、自分自身の身体を抱き締めた。
ガタガタ震えているのに、身体が熱くて……。震え上がる感情に、涙が溢れた。
何故、男に生まれてきてしまったんだろう?
何故、ヴァロンと出逢ってしまったんだろう?
何故……。こんな気持ちに、気付いてしまったんだッ……。
知りたくなかった。
こんな悍ましい感情。こんな醜くて汚い自分。
この日から、私はヴァロンを……避けた。
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