48 / 297
第2章 (1)アカリside
1-4
しおりを挟むダイニングキッチンに戻ると、窓に近付いて薄いレースのカーテンをめくる。
昼食とモニカが来る準備に集中していて、全然気付かなかった。確かに、風はないけど大雨だ。
「こんな日は、夢の配達人も大変ですよね~」
「そうそう。
雨ってなんだかんだ予定が狂うし、仕事やり辛いだろうな~今日は」
荷物を片しながら会話する二人。
「……そうなんだ。ヴァロン、大丈夫かな?」
それを聞いて少しだけ、不安になった。
今朝のヴァロンは、なんだか少しだけ様子が違った。
普段どんなに疲れていても、ヴァロンは自分でかけた目覚ましが鳴る前に必ず起きる。
……それに。
夢、見てたのかな?なんかちょっと、うなされてたような……。
レースのカーテンをキュッと握って、窓の外を見つめる。
「ヴァロン様は問題ないですよ!」
「晴れでも雨でも嵐でも!
いっつも百点満点の配達人ですからね!」
少し沈んだ私を励ますように、二人は元気にそう言ってくれた。
「……ありがとう。そうだよね!」
二人に元気付けられて私は笑顔で頷く。
「よし!急いで昼食用意するから待っててね」
キッチンに戻り手を洗うと、私は作りかけの昼食の仕上げに取り掛かった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
19
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる