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第1章 (3)ヴァロンside
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しおりを挟む俺は時が止まったみたいに、女から目が逸らせなくなった。
「驚いた?これが私の本当の姿。
アンタと一緒で生まれつきよ!」
女は驚いた表情の俺に、クスクス微笑みながら歩み寄ってきた。
生まれつき?
俺と一緒の突然変異?
……それなのに。
自分とは対照的に明るい女。自分とは違う、美しく輝いた女。
何故だ?
何でお前は、こんなにも俺と違う世界にいるんだ?
それは憧れと同時に湧き上がる、嫉妬の感情だった。
ーーけど。
女は、そんな俺の邪念をかき消す。
「ねっ?ここで、私と一緒に働かない?
アンタを私が一から教育してあげるから!」
「!……はぁっ?」
思いがけない女の言葉に、俺は思わず初めて声を発した。
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