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最終章 (3)夢の言葉は魔法の呪文
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しおりを挟む「ギルはあんたに逆らったんじゃない。
ただギルは、自分の好きなものや大切なものを……。あんたに見て欲しかっただけなんだよっ」
少し震えた、言葉の語尾。
それは、お父さんの気持ちを代わりに伝えようとしてくれた、ヴァロンの優しい心。
お父さんと、ヴァロンの心。
ーー届いたよね?
心の中でそう問い掛けてお祖父様を見たら、寂しそうに背中を丸くして、俯いた。
その姿から、分かるよ。
本当は優しくて、家族を愛せる人なんだって。
……ううん。
ヴァロンが、気付かせてくれたんだ。
意地という、お祖父様の心を固く覆っていた鎧を……。彼が、脱がせてくれた。
これが伝説の何でも屋、夢の配達人ヴァロンの力。
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