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第7章 (2)父を求めて-後半-
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しおりを挟む根拠なんてない。
ただの直感だけど、私には分かるの。
……でも。
周りのみんなは、目の前で行われてるのが下剋上だと信じてる。
大男は笑いながら9杯目を空けた。
バロンはついに、10杯目を飲み干す。
下克上だと盛り上がる雰囲気の中。
私はここにきて、バロンの様子がおかしい事に気付いた。
彼は平然としているけど、なんかいつもと違う。って……。
多分、バロンは今かなり辛い筈だ。
時折、相手を見つめる視線の鋭さ、表情も定まってない。
自然に頬杖をついたけど、あれはきっと自らを支える為。
余裕が、なくなってきてる。
普段の彼を、ずっと見てきたから分かるほんの些細な異変。
……どうしよう。
私は、どうしたらいい?止めるべき?
そう、心の中で問いた時だ。
「……ありゃマズいのぅ」
バロンを見つめる私の横から、声がした。
「二人とも平気そうにしとるが……。
気を抜いたらおそらく、バタンキューじゃ」
「!……貴方は?」
いつの間にか私の隣に居た、帽子を被った小柄なおじいさん。
白髪で、顎にお洒落な白髭を生やしている。
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