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第6章 (2)父を求めて-前半-
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しおりを挟む「バレたら、クビになっちゃうかも知れないよ?」
「知りませんね。
私の主はアルバート様ではなく、貴女ですから」
私の言葉に、フッと笑って答えるバロン。
「……アカリが望むなら、僕はどんな場所だって連れて行ってあげるよ」
「っ……」
バロンの言葉一つ一つが勇気に変わって、私の力になる。
さっきまで何も出来ないと思っていた自分が、嘘みたいにいなくなるの。
「……連れてって。
私を、夢の配達人の隠れ家まで」
笑顔で答えて、差し出されていた手にそっと自分の手を重ねた。
「お望みのままに」
自信に満ちた力強い声と優しい手のぬくもりに、もう怖いものなんてない。
ーーけど、ふと思う。
彼は一体どうやって、私を連れ出してくれるのだろう?
そんな疑問を抱いていると。
繋いでいた手を引き寄せられ、背中に誘導されたと思ったら、私はあっと言う間におんぶされていた。
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