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第6章 (2)父を求めて-前半-
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しおりを挟む!……バロン?
姿を目にする前からパッと跳ねる気持ち。
音を立てたのが誰なのか、まるで自分が犬や猫になったかのように分かる。
だって……。
私が孤独を感じた時に駆け付けてくれる人なんて、彼しかいない!
私はベッドから起き上がると、窓に駆け寄りカーテンを開けた。
ーーやっぱり!
秋の夜風に落ち葉と共に吹かれながら、薄暗い闇に浮かぶシルエット。
バルコニーで微笑むバロンの姿。
窓を開けると、彼は私に向かって手を差し出す。
「お迎えに上がりました、お嬢様。
……行くでしょう?夢の配達人の隠れ家に」
真っ直ぐな白金色の瞳が、私の迷いを打ち消すように射抜く。
暗くなっていた心に、ポワッと優しい明かりをくれた。
バロン。
貴方は、召使いなんかじゃない。
王子様だよ。
いつだって私を暗闇から、連れ出してくれる。
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