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第4章 (2)バロンVS夢の配達人
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しおりを挟む絶対に帰るんだ。
こんな所で、死にたくないよっ!
生きたいーー。
バロンと出会う前に自ら命を絶とうとしていた私は、もういない。
両手を拘束されて上手くバランスがとれない私は、近くにあった木を背もたれにしながら身体を支え、必死でその場から立ち上がった。
しかし、その場から逃げようとした矢先。
「……おや。
目を覚まされましたか?お嬢様」
「!っ……」
ヒヤッとする声にビクリと跳ね上がる。
私の行く手を阻むのは、リーダーの男。
「困るなぁ……。
依頼人が来るまで、大人しくしててもらわなきゃ」
獲物を見るような目で見つめられて、さっき私を乱暴に扱った手が不気味に伸びてくる。
っ……嫌ッ!
絶対に、捕まりたくないっ……!
私は身を屈めリーダーの手から逃れると、脇を擦り抜けて走った。
それは以前、バロンが教えてくれた護身術の一つ。
体格差や身長差がある相手から逃げる術。
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