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第3章 (2)夏がきて……。
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しおりを挟む「モニカ様は夏生まれと伺いました。
これは私共からの細やかな、御祝いの品で御座います。
少し早いですが……。
お誕生日おめでとうございます!」
「!ッ……」
その言葉に、顔を上げたモニカ様は彼を見て顔を真っ赤にする。
モニカ様に向かってバロンが見せる、最高の笑顔。
彼にあんな風に微笑まれて、心ときめかせる事のない女性なんていないーー。
少なくとも、私はそう思っていた。
「フフッ、ありがとう。
喜んで頂戴するわっ!」
案の定、モニカ様はバロンに向かって微笑った。
さっきまでの表情とはガラッと変わって、彼女はすごく可愛い笑顔。
「……では、お席まで」
「……。
仕方ないわね!」
すっかりご機嫌になったモニカ様は、スッと差し出されたバロンの手を取って素直に席に戻った。
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