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第6章(1)レノアside
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しおりを挟む嬉しい、楽しい。
ドキドキして、ワクワクする。
私、今最高に幸せ。
「や~ん!(動物に囲まれてるツバサが)可愛い~!!」
ここは港街にある小動物カフェ。
文字通り、ウサギやリスやモルモット、小鳥やフクロウなど小動物と触れ合う事を楽しみながらお茶が出来る場所だ。
私達が今居る中央の場所が、透明なガラスに囲まれた動物達と触れ合える小さな広場になっていて触れ合いスペース。扉を開けてここから外に出るとカフェスペース。そこでは、お茶を飲みながら動物や触れ合う人達を眺めながら寛ぐ事が出来る、という作りだ。
雑誌で見てずっと来てみたくて……。でも、自分の好きに外出もままならない私には絶対に来られないと諦めていた。
けど、来られた。
しかも、大好きな男性と。
この夢のような日に、弾む気持ちを抑え切れる筈がない。
小動物に囲まれているツバサをポケ電でカシャカシャと連写していると、眉間にシワを寄せた彼が私に向かって言う。
「っ……おい。あんま俺が映んねぇようにしてくれよ」
「大丈夫だよ~!(な~んて、嘘だけど)」
ツバサの言葉に、私は心の中で「えへへっ」と舌を出して笑った。
だって、確かに動物達も可愛いけど、頭や肩に乗ってくる小鳥やリスに複雑な表情をしているツバサが何よりも可愛くて仕方がないのだ。
それに、分かる。ツバサは今眉間にシワを寄せてるけど、これは困ってるだけで怒ってなんかいない。動物達もそれが分かっているからか、彼が何度も地面に降ろしたり、他の所へ追いやろうとしても再び戻って来てしまっている。
『俺もお前に会いたかったよ、レノア』
勇気を出して来て、本当に良かった。
ツバサのあの言葉を聞けただけでも充分だと思った筈だったのに、今はもっと一緒に居たいって気持ちが胸いっぱいに広がっている。
校門の前で泣いた私がツバサに抱き着いている様子に、「なんだなんだ?」と見てくる生徒達から逃げるようにここへ来たけど、動物達のお陰で癒されて気不味い雰囲気にもならなかったし。
私に会いに来てくれて色んな話を聞かせてくれた上に、ツバサと会えるように一緒に考えて協力してくれたランとライにも本当に大感謝だ。
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