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第3章(4)レベッカside
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そして今日。
レノアーノ様の二十歳の誕生日前夜祭を迎えた。
「ーーッ!……ツバサッ?!」
レノアーノ様の口からそのお名前を聞いたのは、久し振りだった。
「っ……ツバサ!会いたかったッ!」
ドレスを着ているにも関わらず全速力で駆け寄り、人目も気にせず我を忘れて抱き着く、そんなお姿を見るのも、久し振りだった。
ああ、この方はまだこんなにもツバサ様を想っていらっしゃるのだ。と、感じられずには居られなかった。
そして、レノアーノ様をこんなにも生き生きとさせる事が出来るのも、きっと一生涯ツバサ様だけ。
だから、ツバサ様からレノアーノ様と会う為に力を貸してほしい、と声を掛けて頂けた時。私には断るという選択肢は見付からなかった。
初めてお会いした時と変わらず、今回も司会者に変装していた私に気付き迷う事なく声を掛けてきた彼。
今はただの学生。本当に、勿体ないと心から思った。
色んな国の貴族や王族がぜひ花嫁にと望まれているレノアーノ様とツバサ様が会える機会など、今回を逃せばもう二度と訪れる事はないだろう。
だから私はもう一度だけ。
執事としてではなく、レノアーノ様の幸せを願う人間として今だけは生きようと決めた。
「……着きましたよ、お嬢様」
ツバサ様の付き添いで来ていた執事のシオン殿と相談して決めた、ホテルの敷地内にあるチャペルが密会の場所。
どうか、お幸せな時間をーー。
まるで花嫁を送り出すような気持ちに、私はならずには居られなかった。
そして今日。
レノアーノ様の二十歳の誕生日前夜祭を迎えた。
「ーーッ!……ツバサッ?!」
レノアーノ様の口からそのお名前を聞いたのは、久し振りだった。
「っ……ツバサ!会いたかったッ!」
ドレスを着ているにも関わらず全速力で駆け寄り、人目も気にせず我を忘れて抱き着く、そんなお姿を見るのも、久し振りだった。
ああ、この方はまだこんなにもツバサ様を想っていらっしゃるのだ。と、感じられずには居られなかった。
そして、レノアーノ様をこんなにも生き生きとさせる事が出来るのも、きっと一生涯ツバサ様だけ。
だから、ツバサ様からレノアーノ様と会う為に力を貸してほしい、と声を掛けて頂けた時。私には断るという選択肢は見付からなかった。
初めてお会いした時と変わらず、今回も司会者に変装していた私に気付き迷う事なく声を掛けてきた彼。
今はただの学生。本当に、勿体ないと心から思った。
色んな国の貴族や王族がぜひ花嫁にと望まれているレノアーノ様とツバサ様が会える機会など、今回を逃せばもう二度と訪れる事はないだろう。
だから私はもう一度だけ。
執事としてではなく、レノアーノ様の幸せを願う人間として今だけは生きようと決めた。
「……着きましたよ、お嬢様」
ツバサ様の付き添いで来ていた執事のシオン殿と相談して決めた、ホテルの敷地内にあるチャペルが密会の場所。
どうか、お幸せな時間をーー。
まるで花嫁を送り出すような気持ちに、私はならずには居られなかった。
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