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第2章(2)ライside
2-1
しおりを挟む幼い日の夢を見た。
「じゃあ、今日はおままごとしよー!」
この言葉を聞くと、僕とツバサはいつしか目を合わせて苦笑いするようになっていた。
その理由はーー……。
「じゃあ、ツバサがお父さん役で、私がお母さん訳ね!」
「え~!ずるいよ、ラン!
前回もランがお母さん役だったじゃない。私もお母さんやりたい!」
お母さん役……。
つまり、妻の座を巡って姉さんとレノアが毎回のように言い合いから始まるからだ。
あ、ちなみに、ツバサがお父さん(夫)役をやるのはもう暗黙の了解だった。
揉めるのが嫌だから、遊びの内容がおままごとにならないように避けているけど……。何日か遊ぶとさすがに巡ってきてしまうこの瞬間。
「ジャンケンで決めたら?」
「そ、そうだね。時間もったいないし……」
どっちの味方をしても後が怖いから、僕とツバサは毎回そう言って難を逃れる事に必死だった。
決まってしまえば特に問題なく遊べて、そのうち交代でお母さん役をやる事で丸く収まって行ったけど……。
その僕達4人が仲良く遊んでいた楽しい思い出が、姉さんの心の中でずっと癒えない傷になっていたなんて……。誰も気付けなかった。
……
…………。
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