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第2章(1)ツバサside
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しおりを挟む『12月24日。
お父様が家でやるクリスマスパーティーにみんなを誘ったらどうか?って言ってくれたの。
みんなに会いたい。
良かったら集まりませんか?』
夢の配達人は人に夢を届ける仕事だから、本来ならばクリスマスとか世間で言うイベント事の時程忙しくて休みなんてない。
けど、今俺がただの夢の配達人ではなく上位10名に下剋上を挑みバッジを奪うのが仕事、と言う状況が幸いして、今年は特別に最高責任者から休暇をもらえた。
そして、ランとライも何とか休みを確保出来て……。俺達は久々に、約10年振りに幼馴染み4人で集まれる事が決まったんだ。
楽しみで、楽しみで、仕方なかった。
その事が一段とまたやる気に繋がって、俺は順調に金バッジの夢の配達人との下剋上を成功させていった。
……
…………そして。
今年最後の下剋上を行う数日前の12月初旬。
俺は、久々にレノアと電話で話した。
『えっ?じゃあ、ヒナタさん、ミライさんと正式に結婚したのっ?』
「ああ、そうなんだよ。
姉貴の体調とか、お腹が目立ってくる時期を考えたら式挙げるの難しそうでさ。
でも、子供の事を考えて先に籍だけいれた、ってこの前聞いた」
『そうなのね!
わぁ~おめでたいわ!私にも今度お祝いさせて!』
「ああ、ありがと。
結婚式が決まったら多分レノアにも案内が届くと思うから、良かったら来てやってくれよ」
『当たり前よ!行くわ、必ず!』
姉貴の結婚報告をすると、レノアもまるで自分の事のように喜んでくれた。
表情を緩ませて話していると、いつの間にかお風呂から出て来たジャナフが物陰からニヤニヤと見つめていて……。俺はその視線に気付くと、座っていたベッドからそっと立ち上がって、部屋を出て隠れ家内を歩きながら話す事にした。
「え~?!なんで~?ツバサ~!
ここで話してくれていいのに~~~!!」
と、背後から声が聞こえたが……。ジャナフには悪いが、やはり恥ずかしい。
そんなこちらの様子に気付いたレノアは、電話先でクスクスッと笑っている。
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