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第2章(1)ツバサside
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しおりを挟む自分の頭の中がお花畑だと、悪い事なんて一切思い浮かばなかったーー……。
「えっ?!それじゃあ、ツバサのお姉さんがミライさんと結婚するのっ?!」
一夜明けて、夢の配達人の隠れ家の寮に戻った俺は、同室のジャナフに昨日の出来事を話した。
俺は、自分で思ってた以上に姉貴とミライさんの事が嬉しかったらしく、終始きっと表情を緩ませていた。
驚くジャナフが質問する前に自ら色々話して……。特に、姉貴のお腹にいる子供の事を話す時は、すでに叔父バカ全開!って感じだったと思う。
俺は末っ子だったし、親戚の子供達ともそこまで歳が離れていないから、正直自分が子供を可愛がれるか?と問われたら分からなかった。
が、どうやら何の心配もない。今から、まるで自分が父親になるかのように楽しみで仕方ないんだ。
「よかったねぇ~ツバサ!
ツバサが嬉しそうだと、ボクも嬉しいよっ!」
「ありがとな、ジャナフ!
俺、今ならほんっと、何でも出来そうだわ!」
……
…………そして。
新たな活力を得た俺は、残りの下剋上に向かってすぐ様動き出した。
蓮葉の護衛任務から戻ったらすぐに瞬空さんとの再戦かと心構えをしていたけど、瞬空さんの都合がつかず暫く延期。俺は、まずは残りの金バッジの獲得を目指すべく下剋上を始めた。
相手の都合がつく順番に日程を組んでいたら見事にスケジュールは埋まって、気付いたら大忙し。
本当は帰国したらランとライと久々に会おう、って計画していたんだけど、二人も調査員見習いとして大忙し。研修や試験の日があったり、と日程と合わず、互いに同じ港街を拠点に置きながらもなかなか会えない日々が続いた。
そんな日々が一ヶ月程続いたある日。
ランが以前作ってくれた、俺とライとレノアとのポケ電のグループにある知らせが届いたんだ。
その知らせとは、レノアからのクリスマスパーティーのお誘い。
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