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第19章 (1)アカリside
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しおりを挟む「いつも、家計の事考えてくれてありがとう。俺、そういうの疎いから……。無駄使い多かったらちゃんと叱ってね?奥さん」
私だけに聞こえる様にボソッと呟いて、ヴァロンはアンケートにペンを走らせてくれる。
ありのままの、私でいいって……。
言葉にされなくても、そう伝わってくる。
直接的な言葉よりも、心地良くて……。
いつも私の心を暖かくしてくれる。
私が喜ぶ些細な事を共感してくれるヴァロン。
大好きが溢れて、止まらなくなっちゃうよ。
いつの間にか恥ずかしさは消えて、喜びに変ってた。
顔が赤いのも恥ずかしいからじゃなくて、隣にいるヴァロンへのときめきに変わってる。
「よし!ちゃちゃっと書いちゃおう」
ヴァロンのさり気ない優しさに癒されて、私は気を取り直すと順番にアンケートに答えて行った。
……。
しかし、最後の2つの質問に思わずペンが止まる。
Q.あなたの欲しいものは?
Q.あなたの夢は?
欲しいもの、かぁ……。
と、私はチラッと隣にいるヴァロンを見た。
子供の頃の私の夢は、ありきたりかも知れないけど”お嫁さん”だった。
大好きな人と、結婚する事。
そして……。
次の子供は……。
ヴァロンにそっくりな、男の子がほしいなぁ///。
大好きな旦那様との間に、彼にそっくりな男の子が産まれたらいいなって……。
そう、思っていた。
ヴァロンにそっくり、なんて……!
やだっ!めちゃくちゃ美少年じゃない?!
想像して一人で頭の中でキャーキャーッ!と騒いでいると、隣からピーッ!ピーッ!とヴァロンの通信機が鳴る音が聞こえた。
「!……アカリ、悪い。
ちょっと話してくるから、俺のも一緒に出しといて?」
「あ!う、うんっ!」
ハッとして差し出されたアンケートを受け取ると、ヴァロンは通信機をポケットから出して人混みから少し離れた場所で連絡を取っていた。
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