132 / 151
第18章 (1)ユイside
1-5
しおりを挟む『機嫌をなおせよルーゼ?』
「ふんっもうしらない」
『あと一週間の辛抱だからさ』
「どうせ私は役立たずのただの石像ですよーだ」
ルーゼは一度機嫌を曲げてしまうとなかなか立ち直ってくれない。
いっそのこと石像にしてしまおうか?
仕方ない。いつもの手を使うか。
『ルーゼ、これなんだと思う?』
「私の大好きな苺のショートケーキだ」
『しかも苺のスペシャル盛りだぞ?』
「じゅるり・・・美味しそう」
よだれが垂れてる。
相変わらずケーキの誘惑には勝ててない。
心はまだまだ子供である。
『一週間我慢すれば色々なケーキを食べさせてやるぞ?』
近くによせて匂いを嗅がせる。
首から下が石化してるのであと一歩が届かない。
まさに人参を目の前に吊るされた馬である。
「お願い食べさせてーーーーー?!
私我慢するからお願い?!」
『いい子だ。食べさせてやろう』
「幸せ。美味しいよシヅキ」
ルーゼは満足して眠ってしまった。
俺は魔石をボリボリ食いながら今後のプランを考えていた。
ルーゼは身体の大半が石化してしまって魔力の放出量が極端に下がっている。
今横取りしてしまうと意識を失い確実に石像に戻ってしまう。
慎重にならざるおえない。
世界樹大迷宮はアイクがニフィアの代わりに進めてもらっている。
前に見た迷宮核の大きさとこれまでの階層を考えて深くても50層程度だろう。
ユグドラシェルに聞くこともできるが大迷宮については自己進化、自動防衛が働いてるらしく詳細はわからなかった。
ルーゼとニフィアが加われば進軍スピードは跳ね上がるはずだ。
ルーゼは石化が中途半端に戻ってしまい動けずにいた。
『特製カレーライスだ。口を開けてくれ』
「あーん」
『美味しいか?』
「美味しいよ。ごめんね食べさせてもらって」
『気にするな』
ルーゼは約束通り大人しく我慢している。
『今のうちに黒絶眼のコントロールの練習をするぞ。
身体が石化している今なら反動もなく使えるはずだ。
黒絶眼の力は必要なものだけ受け止めてあとは俺に受け流せ。
お前は一人なんかじゃない』
石化して動けない私は訓練所に連れてこられた。
「アイク騎士団長すみません連れて来てもらって」
「ニフィア魔法士団がまたやらかしたらしいな。
重ね重ね申し訳ない」
『またとは?』
「前に回復ポーションと言われ飲んだら一日中腹痛に襲われたり、解毒薬が痺れ薬になってたり大変だったんだ」
『やっぱりあいつドジだったか?』
「滅ぼせ。破滅の邪眼」
「くぅう・・・」
『ルーゼ、俺に半分負担をよこせ』
「・・・楽になった。ありがとうシヅキ」
ルーゼがだいぶ使い方をわかってきたようだ。
『祈りの天眼と爆絶の神眼を解放しよう』
「新しい黒絶眼だ」
『祈りの天眼は対象の傷を癒やし状態異常を回復する天眼だ。
アイクがこれからニフィアの回復薬を飲む』
「いやー俺はちょっと・・・」
「団長そんなことを言わずに」
「最近疲れてるんでしょ?」
「貴様ら何を?!」
『既に俺が買収済みだ。身内の守りが弱すぎるぞ?』
「前より不味すぎる?!
ぐわぁあああ?!腹がぁああ?!」
『ちょうどいい具合に状態異常にかかったな』
「癒せ。祈りの天眼」
「腹が治った?疲れも引いていく・・・」
「うまくいったようだな」
『次に行くぞ。
爆絶の神眼は一点集中したところを爆破する魔眼だ。
より鮮明に爆発するイメージをするんだ。
俺がルーゼの魂空間でクソ犬を始末した時のようにな』
「爆ぜろ、爆絶の神眼」
『いい感じだ。
もう少し練習してみよう。
ということでアイクよ、もう一杯だ』
「やめろ?!ぬわーーーーーーーーー」
『今日はこのくらいにしよう。
魔力が底を尽きると意識を失って完全な石像に戻ってしまうからな』
「えー?!」
『今日はレアチーズケーキだ』
「はやくちょうだい。はやくー」
まるで今か今かと待ち侘びる雛鳥のようだな
『今食わせてやる。ほれ』
「はむっ美味しいよ」
「ふんっもうしらない」
『あと一週間の辛抱だからさ』
「どうせ私は役立たずのただの石像ですよーだ」
ルーゼは一度機嫌を曲げてしまうとなかなか立ち直ってくれない。
いっそのこと石像にしてしまおうか?
仕方ない。いつもの手を使うか。
『ルーゼ、これなんだと思う?』
「私の大好きな苺のショートケーキだ」
『しかも苺のスペシャル盛りだぞ?』
「じゅるり・・・美味しそう」
よだれが垂れてる。
相変わらずケーキの誘惑には勝ててない。
心はまだまだ子供である。
『一週間我慢すれば色々なケーキを食べさせてやるぞ?』
近くによせて匂いを嗅がせる。
首から下が石化してるのであと一歩が届かない。
まさに人参を目の前に吊るされた馬である。
「お願い食べさせてーーーーー?!
私我慢するからお願い?!」
『いい子だ。食べさせてやろう』
「幸せ。美味しいよシヅキ」
ルーゼは満足して眠ってしまった。
俺は魔石をボリボリ食いながら今後のプランを考えていた。
ルーゼは身体の大半が石化してしまって魔力の放出量が極端に下がっている。
今横取りしてしまうと意識を失い確実に石像に戻ってしまう。
慎重にならざるおえない。
世界樹大迷宮はアイクがニフィアの代わりに進めてもらっている。
前に見た迷宮核の大きさとこれまでの階層を考えて深くても50層程度だろう。
ユグドラシェルに聞くこともできるが大迷宮については自己進化、自動防衛が働いてるらしく詳細はわからなかった。
ルーゼとニフィアが加われば進軍スピードは跳ね上がるはずだ。
ルーゼは石化が中途半端に戻ってしまい動けずにいた。
『特製カレーライスだ。口を開けてくれ』
「あーん」
『美味しいか?』
「美味しいよ。ごめんね食べさせてもらって」
『気にするな』
ルーゼは約束通り大人しく我慢している。
『今のうちに黒絶眼のコントロールの練習をするぞ。
身体が石化している今なら反動もなく使えるはずだ。
黒絶眼の力は必要なものだけ受け止めてあとは俺に受け流せ。
お前は一人なんかじゃない』
石化して動けない私は訓練所に連れてこられた。
「アイク騎士団長すみません連れて来てもらって」
「ニフィア魔法士団がまたやらかしたらしいな。
重ね重ね申し訳ない」
『またとは?』
「前に回復ポーションと言われ飲んだら一日中腹痛に襲われたり、解毒薬が痺れ薬になってたり大変だったんだ」
『やっぱりあいつドジだったか?』
「滅ぼせ。破滅の邪眼」
「くぅう・・・」
『ルーゼ、俺に半分負担をよこせ』
「・・・楽になった。ありがとうシヅキ」
ルーゼがだいぶ使い方をわかってきたようだ。
『祈りの天眼と爆絶の神眼を解放しよう』
「新しい黒絶眼だ」
『祈りの天眼は対象の傷を癒やし状態異常を回復する天眼だ。
アイクがこれからニフィアの回復薬を飲む』
「いやー俺はちょっと・・・」
「団長そんなことを言わずに」
「最近疲れてるんでしょ?」
「貴様ら何を?!」
『既に俺が買収済みだ。身内の守りが弱すぎるぞ?』
「前より不味すぎる?!
ぐわぁあああ?!腹がぁああ?!」
『ちょうどいい具合に状態異常にかかったな』
「癒せ。祈りの天眼」
「腹が治った?疲れも引いていく・・・」
「うまくいったようだな」
『次に行くぞ。
爆絶の神眼は一点集中したところを爆破する魔眼だ。
より鮮明に爆発するイメージをするんだ。
俺がルーゼの魂空間でクソ犬を始末した時のようにな』
「爆ぜろ、爆絶の神眼」
『いい感じだ。
もう少し練習してみよう。
ということでアイクよ、もう一杯だ』
「やめろ?!ぬわーーーーーーーーー」
『今日はこのくらいにしよう。
魔力が底を尽きると意識を失って完全な石像に戻ってしまうからな』
「えー?!」
『今日はレアチーズケーキだ』
「はやくちょうだい。はやくー」
まるで今か今かと待ち侘びる雛鳥のようだな
『今食わせてやる。ほれ』
「はむっ美味しいよ」
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結保証】あなた方に尽くす理由はもうないんです
ネコ
恋愛
これまで家族と婚約者に従い、ひたすら尽くしてきた私。だが、どんなに努力しても誰一人として感謝などしない。とうとう決定的な裏切りを知ったとき、私は全てを捨てることにした。貴方たちに返り討ちされるより先に、私が先に見切りをつけましょう――さようなら。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結保証】好きでもないなら婚約者のフリはやめてください
ネコ
恋愛
侯爵令嬢の私と伯爵令息ルイは子供の頃から婚約していた。
だが成人式直前、ルイは「本当は君を好きになれなかった」と告白。
さらに「他に愛している相手がいる」と勝手に破棄を宣言する。
誠意も何も感じられない嘘まみれの婚約に縛られていたなんて、こっちこそ御免被る。
失恋の痛みを振り払って新たな道を歩む私に、なぜかルイは焦り始めるが……今さら何を言われても心はもう戻らない。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
聖女の妹によって家を追い出された私が真の聖女でした
天宮有
恋愛
グーリサ伯爵家から聖女が選ばれることになり、長女の私エステルより妹ザリカの方が優秀だった。
聖女がザリカに決まり、私は家から追い出されてしまう。
その後、追い出された私の元に、他国の王子マグリスがやって来る。
マグリスの話を聞くと私が真の聖女で、これからザリカの力は消えていくようだ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
都合のいい女は卒業です。
火野村志紀
恋愛
伯爵令嬢サラサは、王太子ライオットと婚約していた。
しかしライオットが神官の娘であるオフィーリアと恋に落ちたことで、事態は急転する。
治癒魔法の使い手で聖女と呼ばれるオフィーリアと、魔力を一切持たない『非保持者』のサラサ。
どちらが王家に必要とされているかは明白だった。
「すまない。オフィーリアに正妃の座を譲ってくれないだろうか」
だから、そう言われてもサラサは大人しく引き下がることにした。
しかし「君は側妃にでもなればいい」と言われた瞬間、何かがプツンと切れる音がした。
この男には今まで散々苦労をかけられてきたし、屈辱も味わってきた。
それでも必死に尽くしてきたのに、どうしてこんな仕打ちを受けなければならないのか。
だからサラサは満面の笑みを浮かべながら、はっきりと告げた。
「ご遠慮しますわ、ライオット殿下」
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】新皇帝の後宮に献上された姫は、皇帝の寵愛を望まない
ユユ
恋愛
周辺諸国19国を統べるエテルネル帝国の皇帝が崩御し、若い皇子が即位した2年前から従属国が次々と姫や公女、もしくは美女を献上している。
既に帝国の令嬢数人と従属国から18人が後宮で住んでいる。
未だ献上していなかったプロプル王国では、王女である私が仕方なく献上されることになった。
後宮の余った人気のない部屋に押し込まれ、選択を迫られた。
欲の無い王女と、女達の醜い争いに辟易した新皇帝の噛み合わない新生活が始まった。
* 作り話です
* そんなに長くしない予定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる