夢の言葉と陽だまりの天使(下)【続編③】

☆リサーナ☆

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第16章 (3)ヴァロンside

3-2

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がちゃ

ぱたぱたぱた

また新たな奴が現れた。
俺よりも体格の小さな奴。
抱かれるくらいなら抱いた方がいい。
こいつなら抱けそうだ。
香りも悪くない。
身体が勝手に反応していく。

手を伸ばして相手の身体を引き寄せ唇が触れた。
相手の意思など関係なく、奪うように口を塞いだ。
相手もそのつもりで来たんだ、抵抗することもなく俺の好きなようにさせれている。
腕の中に収まるのはエストレヤと同じ体格なんだろう。
薬が効いてるのか次第にエストレヤに見えてきた。
きっと俺が盛られたのは、漫画とかに良く出てくる「媚薬」ってやつだろう。
そんなもん本当に効くのかよと思っていたが、実際はかなり効いている。

俺は今エストレヤを抱いている気分だ。

俺を跨がらせ服を剥ぎ取る。
本物のエストレヤにはしたことがないくらい乱暴に、ボタンが弾け飛んでも気にしなかった。
脱がせた服は邪魔なので床に捨てた。
首や胸に噛みつくように痕を残し、快楽よりも強い痛みを相手に送り続けた。
助けを求めるように頭を抱えられるとエストレヤに教え込んだのを思い出したが今はその記憶を振り払った。
相手の叫び声が聞こえても止めるつもりはないし、こんなことをするような奴にエストレヤのように気を配るつもりはなかった。

今の俺に「優しくする」という言葉は無かった。

ソファに勢い良く押し倒し、ズボンとパンツを一気に足から引き抜いた。
相手のを握り混み刺激を送る。
口に含み愛撫を送りながらたまに歯を当てれば、相手は驚き身体が跳ねた。
舌で扱きながら強く吸う…。

妄想と現実の区別が付かず、反応の仕方も次第にエストレヤに見えてくる。
涙を浮かべながら叫び声をあげている姿など見たこと無いのに、まるでエストレヤそのものだった。
相手がイキそうになると根本を掴んだ。
かなり強めに握り締め、叫び声が部屋中に響く。

こんなこと間違ってもエストレヤにはしない。

誰だか分からないから出来たこと。

相手も俺なら何されたって良いんだろ?

そんな思いから優しさの欠片もない抱き方をした。
俺が正気になった時未練など残らぬように。

追い詰めて追い詰めて…それでもイカせる事はしない。
透明な液体がボタボタと垂れでも許さず先端を指で栓をする。
強く摘まむようにすれば喘ぎ声とは呼べない叫び声を聞く。
遊び過ぎたのか漸く手を離しても今度はなかなかイカなかった。
手の平を先端に被せながら、裏筋を口で刺激してやると呆気なくイッた。
手の平で受け止めた液体を本人の尻に塗り込む。
香油がないから仕方がない。
エストレヤが相手なら尻を舐めることに躊躇いはないが、コイツにそんなことする義理もない。

解してやるだけ感謝して欲しい。

滑りはイマイチだが指で拡げていく。
荒くしても受け入れ感じるのは本人が淫乱なのか、それとも俺にされたかったのか…。
両方どうでもいいことだった。
こいつが始めてじゃないのは感じ方や受け入れ方でわかる。

流石こんなことを考える奴だ、身体の反応は良い。

俺はこいつを利用して欲望をぶちまけ、いち早く正常に戻るだけだ。
そして、俺はエストレヤを抱く。
エストレヤを抱くために狂暴な俺をこいつで発散しているにすぎない。
これはエッチでもセックスでもない。

ただの暴力であり、それを望んだのはこいつ自身だ。

俺が気にすることじゃない。
なんとか拡げても滑りの方が足りず、このまま入れたとしても苦しいだろう…。
だが仕方ない、いつまでも解しているだけでは俺が終わらない。
コイツには悪いが無理やり入れた。

息を詰めソファを握りしめながら必死に耐えているように見える。

そこまでして好きでもない男としたいのか?

俺には理解できない。
虚しいだけだろ。
コイツとするのは二度と無いだろう…。
俺のことなんて最低な男だったと忘れるべきだ。
未練が残らないよう、酷い抱きかたをしている。 

お互い一度きりの関係で終わりだ。

苦悶の表情で耐えている姿はエストレヤそのものだった。
そんな表情を見てしまうと優しくしてやりたくなるが、俺が優しくするのは本物のエストレヤだけだ。

さっきまでは何度も叫び声をあげていたのに、今は声を殺して耐えていた。
中が引き攣って痛いのだろう。
それでも止めてやる気は無かった。

コイツの中、気持ちいいな。

俺がコイツとエストレヤを重ねちまってるからか?
薬の所為かすげぇ気持ちいい。
コイツの中に何度放っても終わりがみえない。
強引にうつ伏せにし腰を持ち上げ打ち付けた。
相手を人形のように扱い、本能の赴くままやり続ける。
快楽で善がりすぎ俺に反応しなくなると背中を噛んで痛みで俺に引き戻した。
身をよじりながら逃げ出そうとするのを許さず、雁字搦めのように後ろから抱き締めた。
深く抉るように下半身を押し付け、相手が背筋を逸らし逃れようとするのを強引に引き戻す。
相手の叫び声に興奮し、更に強引に推し進めた。
逃げることを許さないでいる腕で相手の胸やモノを人質のように捉えた。
俺から逃げたいのか、手を剥がそうと重ねてくるが気にせずイジメ続け更には項や肩甲骨を噛んでいく。
噛むと奥が締まりより気持ち良くて、相手の身体の事など気にせず何度も噛み続けた。
抱き起こし、俺ので貫いたまま座らせた。
後ろからし続けてるのは相手の顔を見る必要が無かったのと、俺が今抱いているのはエストレヤだと思い込みたかったからだ。

抱き寄せる度に気付く、コイツは泣いている。

善がりすぎて泣いているのか、痛みからくる涙なのか…俺は考えないようにしていた。
身体に燻っている欲望を吐き出す行為で、相手もそのつもりだろう。
俺は相手の涙に気付かない振りをして行為に耽った。
何時間とか何回とか、もうどうでも良かった。
こんな乱暴な抱き方をエストレヤにぶつけない為に、全てここで終わらすつもりだった。
相手を無理やり振り向かせ唇を奪った。

キスはするつもり無かったんだけどな。

身体を捻り苦しそうにキスを続けるのもよかったが、繋がったまま向き合うように体勢を変えさせた。

媚薬ってすげぇわ。

抱いてる最中、相手がエストレヤにしか見えなかった。
本物のエストレヤをここまで泣かせたことはなかったな…。

俺ってこんな風にエストレヤを抱きたかったのか?

顔を見ないように後ろからしていたのに、何故か正面から遣りたくなり顔を見てしまった所為か手荒にできなくなりだした。
息を奪うほどのキスをしながら相手の中へ中へと腰を動かした。
俺の首に腕を回して耐える姿は、俺の理想そのものでこいつは俺を駆り立てるのが上手かった。
だからなのか、俺の相手として選ばれたのかもしれないな…。
苦しみながらも唇を求め、縋るように首に腕を回す。
俺のモノを離したくないときゅっと締め付けるのが堪らない。
涙を流しながら甘い喘ぎ声に俺を煽る息遣い。 

媚薬が見せる妄想だ。

俺は今、エストレヤを抱いている。
気絶して反応を全く見せなくても気にせず抱き続けた。
暫く抱いていると相手は目を覚まし、まだ繋がったままなのを知り喘いだかと思えばまた気絶していた。
何度も目覚めては気絶を繰り返していた。
そんな姿を見ても、止めること無く相手の中に放っていた。
相手からは溢れ出していたが俺ので常に蓋していた。
興奮が覚めるまで付き合わせ、俺の記憶がなくなるまで相手の中に出し続けた。
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