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第14章 (2)シュウside
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しおりを挟むアラン様は女性関係に軽いと聞いた。
交渉にも、取り引きにも女性を使ったりする事が多々あり、色々と厄介そうだが……。
ヴァロンが今回の任務でいつも以上にモテているのは、その環境だけが問題ではないだろう。
1人の女性を大切に想う一途な心。
アカリさんを愛すその美しい気持ちが、彼から溢れているからだ。
”恋をすると美しくなる”というのは、どうやら女性だけに使われる言葉ではないんだと実感する。
任務中のヴァロンは役者そのもので、これまで完全に演技をしながら仕事に望んできた。
つまりは、偽りの彼。
彼であって彼ではなかったのだが……。
今回の任務では、どうやら”素”のヴァロンが抑え切れていない。
無理なく自然体で仕事に臨めているのならばいいのだが、それ故に仕事だと割り切れない事が出て来た時にやっかいではないか……?
と、私は密かに心配していた。
「……。
私、シュウさんがマスター補佐で良かったです」
「!……え?」
ホノカさんの言葉に、考え込んでいた私が記事から顔を上げると彼女と視線が交わる。
「だって、依頼先に行く度にシュウさんが告白されてたら……。私、妬いちゃいますもん///」
「!///っ……」
頬を赤らめた可愛い表情でそう言うと、ホノカさんはフフッと微笑んで私の部屋を出て行った。
以前から可愛い女性だとは思っていたが、最近は異様に彼女が可愛らしく見える。
このところはホノカさんにドキドキさせられっぱなしだ。
私達もようやく、少しは夫婦らしくなれてきたんだろうか?
そんな事を思いながら、再びヴァロンの記事に目を移す。
「……君も。
きっとますます素敵になっていて、また私をドキドキさせるんでしょう?」
溜め息を吐きつつもやっぱり笑顔になってしまう。
でも、私だけじゃない。
ヴァロンの不思議な魅力に惹きつけられる人は……。
私が今回一番心配しているのは、その事だ。
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