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第12章 (3)モニカside
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【アルバート部屋前/廊下】
部屋の前まで行って、扉に耳を近付けてみると、耳を澄ませば中の声が聞こえる。
仕事の難しい内容は分からないけど、一緒に居るアカリがヴァロンの声が聴けて嬉しそうにしてるからどんな会話でもいいわ。
そんな事を思っていると……。
どうやら打ち合わせが終了したらしい。
「……では、そう言う事で」
「ええ、よろしくお願いします」
と、会話を交わすアラン様とアルバート様の声が聞こえた。
しかし、もうすぐアカリとヴァロンが会えるのだと胸を弾ませた時……。
「アルバート様、申し訳ありません。
実はこの後に急な打ち合わせが入りましたので、私はこれで失礼致します」
予想もしなかったアラン様の言葉。
”そんなっ!!”っと、思わず漏れてしまいそうな声を口を押さえながら堪えていると、アラン様が言葉を続ける。
「……マオ。
お前は残ってご馳走になっていくといい。
なんなら明日は休暇をやるから、泊まりでもいいぞ?」
更に予想もしなかったアラン様の言葉。
なんて素敵な対応!
しかもヴァロンに休暇をくれるなんて……!
アラン様の粋な計らいに、私は”貴方を誤解しててごめんなさい!”と心の中で叫んだ。
アラン様が帰られる上に明日休暇という事になれば、ヴァロンはマオとしてではなくアカリと居られる。
彼女の旦那様として過ごす事が出来る。
……けれど。
「良かったわね、アカリ!」と、私がアカリの手を握ろうとした瞬間……。
「……いえ。
アラン様が戻られるのでしたら、私も失礼致します」
……。
信じられない、ヴァロンの言葉が聞こえた。
部屋の前まで行って、扉に耳を近付けてみると、耳を澄ませば中の声が聞こえる。
仕事の難しい内容は分からないけど、一緒に居るアカリがヴァロンの声が聴けて嬉しそうにしてるからどんな会話でもいいわ。
そんな事を思っていると……。
どうやら打ち合わせが終了したらしい。
「……では、そう言う事で」
「ええ、よろしくお願いします」
と、会話を交わすアラン様とアルバート様の声が聞こえた。
しかし、もうすぐアカリとヴァロンが会えるのだと胸を弾ませた時……。
「アルバート様、申し訳ありません。
実はこの後に急な打ち合わせが入りましたので、私はこれで失礼致します」
予想もしなかったアラン様の言葉。
”そんなっ!!”っと、思わず漏れてしまいそうな声を口を押さえながら堪えていると、アラン様が言葉を続ける。
「……マオ。
お前は残ってご馳走になっていくといい。
なんなら明日は休暇をやるから、泊まりでもいいぞ?」
更に予想もしなかったアラン様の言葉。
なんて素敵な対応!
しかもヴァロンに休暇をくれるなんて……!
アラン様の粋な計らいに、私は”貴方を誤解しててごめんなさい!”と心の中で叫んだ。
アラン様が帰られる上に明日休暇という事になれば、ヴァロンはマオとしてではなくアカリと居られる。
彼女の旦那様として過ごす事が出来る。
……けれど。
「良かったわね、アカリ!」と、私がアカリの手を握ろうとした瞬間……。
「……いえ。
アラン様が戻られるのでしたら、私も失礼致します」
……。
信じられない、ヴァロンの言葉が聞こえた。
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