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第11章 (1)アカリside
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しおりを挟むベッドに座ると、ヴァロンが慣れた手つきで私の寝間着を剥いでいって……。
あっと言う間に下着姿にさせられた。
寝室は薄暗いのに、彼に見られていると思うとドキドキしていまう。
私が目を泳がせていると、ヴァロンは腕を交差させて自分の上の寝間着の裾を掴んで、バサッと……脱ぎ捨てた。
っ……ダメ。
何度見ても、直視出来ないっ。
長身で細い体型のヴァロン。
服を着てる時は着痩せしてて分からないのに、衣服の下に隠された美しく鍛え上げられた逞しい肉体。
この人に抱かれたくない女の人なんていないんじゃないか、って……思う位に綺麗。
「……アカリ、おいで?」
寝間着を脱いだヴァロンはベッドに横になり、掛け布団を少しだけめくって私を誘った。
「っ……は、はいッ」
何だかエッチの時よりもドキドキしてしまう。
ゆっくりと傍にいくとフワッと布団を掛けられ、その中で逞しい腕に抱き締められる。
「……あ~。
やべっ、幸せ過ぎて俺死ぬかも……」
「っ……」
私の事を大切な宝物みたいに優しく包んでくれる、暖かい腕。
愛おしい心地良い温もり。
本当は、離れたくなんて……ないっ。
今にも口から出てしまいそうな言葉を必死に飲み込む私のお腹に、ヴァロンがそっと手で触れて口を開く。
「……ずっとさ、否定してたんだ」
「え……?」
「奥さん大切にする気持ちとか、デレたりとか、子供に親バカになる気持ちとか……。
ギルの事も、正直家族自慢ばっかして恥ずかしくねぇのか~って思ってた。
……けど、こんなにも幸せな事だったんだな」
恥ずかしそうにクスクス笑いながらそう言うヴァロンの言葉から伝わってくる、深い愛。
私とヒナタと居られる事を、本当に幸せそうにしてくれた。
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