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第11章 (1)アカリside
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〈回想〉
【自宅/寝室】
「ヴァロン?どうしたの?」
就寝の準備が整い私がベッドに入ろうとすると、ヴァロンは近くで立ったまま何か言いたげにしていた。
私が首を傾げて見つめていると、彼が呟く。
「……あの、さ。
……。少しだけ……触れても、いいかな?」
「……え?」
「ずっと、触れてねぇから……。
その、アカリの素肌に……触れたい」
「……っ」
ヴァロンの声は小さいけど、静かな寝室では十分過ぎるくらい聴こえた。
”触れたい”と言われてカアッと真っ赤になる私を見て、彼は慌てて首を横に振る。
「あ!ごめっ……違ッ。
へ、変な意味じゃなくて!っ……その……。
暫く、触れられねぇから……素肌で、抱き合いたいって……思って……ッ」
そう言うヴァロンの表情。
今までに見た事ない位、真っ赤だった。
「……駄目、か?っ……て。変な、意味じゃないなんて……思え、ねぇよな」
口元に手を当てて、真っ赤な顔を隠す様に俯くヴァロン。
普段のエッチの時は強引で、意地悪な命令口調のクセに……。
今は大人の男性じゃなくて、まるで初めて好きな人に告白する少年みたい。
その姿に、胸がキュンッとときめく。
……もう。
何で、そんなに……可愛いの?
私はゆっくり歩み寄ると、そっとヴァロンの手を取って両手で握り締めた。
「……。いいよ」
「!……えっ?」
「そ……その、代わり……。
下着は付けたまま、ね?」
さすがに素っ裸は恥ずかしくてそう言うと、モジモジしている私をヴァロンが優しく胸に抱き締めてくれる。
「……うん。
絶対に何もしないって、約束するから……」
さっきとは違う落ち着いた彼の声。
私は静かに頷いた。
……
…………。
【自宅/寝室】
「ヴァロン?どうしたの?」
就寝の準備が整い私がベッドに入ろうとすると、ヴァロンは近くで立ったまま何か言いたげにしていた。
私が首を傾げて見つめていると、彼が呟く。
「……あの、さ。
……。少しだけ……触れても、いいかな?」
「……え?」
「ずっと、触れてねぇから……。
その、アカリの素肌に……触れたい」
「……っ」
ヴァロンの声は小さいけど、静かな寝室では十分過ぎるくらい聴こえた。
”触れたい”と言われてカアッと真っ赤になる私を見て、彼は慌てて首を横に振る。
「あ!ごめっ……違ッ。
へ、変な意味じゃなくて!っ……その……。
暫く、触れられねぇから……素肌で、抱き合いたいって……思って……ッ」
そう言うヴァロンの表情。
今までに見た事ない位、真っ赤だった。
「……駄目、か?っ……て。変な、意味じゃないなんて……思え、ねぇよな」
口元に手を当てて、真っ赤な顔を隠す様に俯くヴァロン。
普段のエッチの時は強引で、意地悪な命令口調のクセに……。
今は大人の男性じゃなくて、まるで初めて好きな人に告白する少年みたい。
その姿に、胸がキュンッとときめく。
……もう。
何で、そんなに……可愛いの?
私はゆっくり歩み寄ると、そっとヴァロンの手を取って両手で握り締めた。
「……。いいよ」
「!……えっ?」
「そ……その、代わり……。
下着は付けたまま、ね?」
さすがに素っ裸は恥ずかしくてそう言うと、モジモジしている私をヴァロンが優しく胸に抱き締めてくれる。
「……うん。
絶対に何もしないって、約束するから……」
さっきとは違う落ち着いた彼の声。
私は静かに頷いた。
……
…………。
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