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第11章 (1)アカリside
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【2月中旬/アルバート別荘/アカリの部屋】
「もう半年も身重の妻を放ったらかしなんて!
ヴァロンは一体何を考えてるんですの!」
椅子に座っていつもの様に編み物をしていると、遊びに来てくれたモニカが私の話を聞いて怒った様に声を上げる。
「モニカ、落ち着いて。
そんなに興奮するとお腹の赤ちゃんに良くないよ?」
私は、妊娠9ヶ月になった。
すっかり大きくなった自分のお腹を撫でながらモニカをなだめるように言うと、彼女は不機嫌そうな表情のままゆっくりと椅子に座る。
そんなモニカも現在妊娠5ヶ月。
安定期に入って体調も落ち着いた為、私の様子を気にして会いに来てくれたのだ。
「だって、いくら仕事で忙しいからって酷いじゃない。
会いに来れなくても、せめて電話や手紙くらい……」
私を気遣ってくれる優しいモニカ。
ヴァロンが長期任務に行って半年。
彼から、一度も連絡がない。
「お仕事だもん、仕方ないよ。
ヴァロンが元気なら……私は大丈夫」
そう言って、私は机の上にある新聞や雑誌をチラッと見た。
ローザ達に定期的に持って来てもらってるこれには、ヴァロンが今関わってるお仕事の記事が載っている。
今回の最新の記事もすごかった。
アラン様が持っている会社が、ずっと拒まれていた異国の大手企業と手を組む事が決まったって……。
それを成功させたのは、”アラン様の右腕”と呼ばれる男……マオ。
名前を変えてるけど、間違いなくヴァロンの事だ。
「ヴァロンはすごいなぁ……。
ホントに何でも出来ちゃうんだよね」
その場にいなくても分かる。
きっとみんな彼に魅了されて、周りが自然と動いて、どんな不利な状況もいつの間にか成功に導かれていく……。
ヴァロンの魔法で、キラキラと輝くんだ。
「もう半年も身重の妻を放ったらかしなんて!
ヴァロンは一体何を考えてるんですの!」
椅子に座っていつもの様に編み物をしていると、遊びに来てくれたモニカが私の話を聞いて怒った様に声を上げる。
「モニカ、落ち着いて。
そんなに興奮するとお腹の赤ちゃんに良くないよ?」
私は、妊娠9ヶ月になった。
すっかり大きくなった自分のお腹を撫でながらモニカをなだめるように言うと、彼女は不機嫌そうな表情のままゆっくりと椅子に座る。
そんなモニカも現在妊娠5ヶ月。
安定期に入って体調も落ち着いた為、私の様子を気にして会いに来てくれたのだ。
「だって、いくら仕事で忙しいからって酷いじゃない。
会いに来れなくても、せめて電話や手紙くらい……」
私を気遣ってくれる優しいモニカ。
ヴァロンが長期任務に行って半年。
彼から、一度も連絡がない。
「お仕事だもん、仕方ないよ。
ヴァロンが元気なら……私は大丈夫」
そう言って、私は机の上にある新聞や雑誌をチラッと見た。
ローザ達に定期的に持って来てもらってるこれには、ヴァロンが今関わってるお仕事の記事が載っている。
今回の最新の記事もすごかった。
アラン様が持っている会社が、ずっと拒まれていた異国の大手企業と手を組む事が決まったって……。
それを成功させたのは、”アラン様の右腕”と呼ばれる男……マオ。
名前を変えてるけど、間違いなくヴァロンの事だ。
「ヴァロンはすごいなぁ……。
ホントに何でも出来ちゃうんだよね」
その場にいなくても分かる。
きっとみんな彼に魅了されて、周りが自然と動いて、どんな不利な状況もいつの間にか成功に導かれていく……。
ヴァロンの魔法で、キラキラと輝くんだ。
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