片翼を君にあげる④

☆リサーナ☆

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第1章(1)ツバサside

1-3

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***

目指すのは、
叔父さんの別荘であり、俺の曾祖父さんにあたるシャルマの邸宅だった場所ーー。

駅から歩いて。
森を深く深く進んで。
俺は再び、ここを訪れた。

目的はもちろん、その中にある書庫。
天使の居場所に続く、あの場所だ。

「っ、なんか、すごいけど……不気味な所、だね」

別荘を前にして、ジャナフが唾をゴクリッと呑みながらそう言った。

互いの能力ちからについての話をした際に深く追求はしなかったが、ジャナフはおそらく母方から何らかの形で俺と同じ天使の血を受け継いでいる。
ただ、その能力ちからは俺よりは弱いようで、また彼自身でその能力ちからを使う事は出来ず、たまにジャナフを助けてくれるかのように勝手に発動するそうだ。

とはいえ、天使の血を引くジャナフ。
もしかしたら、最初ここへ来た俺のように恐怖を感じたり、具合が悪くなる可能性は十分にあった。

「もし、あまりにも恐怖を感じたり体調が悪くなったら我慢せずに建物からでてくれ。
ここまで一緒に来てくれただけで、俺は……」

無理はしないでほしい。
そう思って言いかけた俺の手を、ジャナフがギュッと握ってくれた。

「ーー大丈夫!!
僕とツバサは最強の親友コンビ!どんな恐怖にも、試練にも負けない!!ねっ?」

暖かい手。
昔は、誰かに触れられる事がずっと怖かった。

けど今は……こんなにも嬉しくて、心強い。

「ーーああ!
ジャナフとなら、絶対に大丈夫だな!」

全ての不安に。
全ての恐怖に。
立ち向かえる。乗り越えられる。

そう思って、俺は天使が居る場所へと向かって、ジャナフと共に別荘内に足を踏み入れた。

……
…………。

【今回で年内最後の更新となります!
片翼をここまで読んで下さっている皆様、本当にありがとうございますm(_ _)m
作者、サービス業で年末年始は多忙な為、次回更新はお正月期間が明けて落ち着いた1月17日(金)を予定しております。
来年もカメ更新にはなりますが、完結まで頑張って書いていきますので引き続きよろしくお願い致します。
ではでは、良いお年を!皆様がいい夢を、見られますように☆(o^^o)】
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