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第10章 (2)シュウside
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しおりを挟む幼い頃から礼儀正しく、愛想良く。
そう決めていた。
第一印象が大切だと、心掛けてきた。
だから、誰もが思わない。
本当は私が人見知りで、誰かと二人きりの空間が苦手だという事に……。
ヴァロンの事を想う様になってからは、特に女性への対応に困った。
自分に好意を寄せてくれる女性への、対応。
何度かヴァロンへの想いを振り切る為に、積極的に迫ってくる女性に身を任せようとした事もあった。
”身体は男なのだから”と、自分に言い聞かせて。
……。
でも、出来なかった。
女性に欲情するどころか、いつの間にか嫌悪感すら覚えて……。
必死に隠してはいたが、酷い時には拒否反応を起こした事もあった。
かと言って、男性に興味があるのかと思ったら……。
それも、違う。
ヴァロンだけ。
彼の表情や仕草、言葉、全てが私の特別。
……そう、ずっと思ってきた。
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