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第9章 (4)アカリside
4-2
しおりを挟む「私とヒナタの為に、夢を諦めないで?
……。ヴァロンと私の子供だもん。
絶対に、この子も応援してるから」
きっとヒナタも私の選択に賛成してくれる。
ヴァロンにずっと、輝いていてほしいと一緒に願ってくれる。
自由奔放でいい。
我が儘でもいい。
思うままに、生き生きした貴方が好き。
「”自由に、羽ばたいてほしい”。
……覚えてる?昔、砂浜でそう言ったの。
私の気持ちは、ずっと変わらないよ?」
私はお腹を撫でながらヴァロン寄り添い、彼の胸元に額を付けて目を閉じた。
「……っ。
俺は、……アカリが大好きだッ」
震えた声が教えてくれる。
彼がどれだけ私を想って、悩んでくれたか。
「……うん」
私を包む様に抱き締めてくれるヴァロンの腕の中で、私は頷く。
「初めて、帰りたいと思った。
お前の暖かさに出逢ってからずっと、っ……俺は帰る場所を。アカリを捜してたんだ……」
優しい声、暖かい鼓動が教えてくれる。
ヴァロンがどれだけ私を愛してくれているか。
「……うん」
私も、待ってたよ。
子供の時からずっとヴァロンを待ってた。
この家に住んでいれば、いつかまた来てくれるって思ってたの。
だからお母さんが亡くなって、お祖父様の別荘に連れて行かれた時。
胸が張り裂けそうな位に、辛かった。
……でも。
貴方は来てくれた。
私が大変な時、寂しい時、辛い時……。
いつだって私がピンチの時に駆け付けてくれる、王子様だった。
だから、信じる。
ヴァロンは嘘はつかない。
貴方の魔法の言葉を、私は信じる。
ヴァロンはギュッと一度強く私を抱き締めると、少し身体を離してゆっくり瞳を合わせた。
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