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第9章 (1)ヴァロンside
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【繁華街】
「……」
楽しいデートの筈が……。
俺は一人で休憩所の椅子に座って、アカリを待っていた。
一緒に買い物するのかと思いきや、着いた早々。
”一人で見たい物があるの。ヴァロンは少し待ってて!”
そう言ってアカリは行ってしまった。
一人で見たい物、か……。
まあ、女の子なんだし男と一緒じゃ買い辛い物もあると思う。
でも、何もデートの時に買わなくても……。
ハッキリ言って暇だった。
こうしてじっと待っているのも、苦手。
本当に、仕事が関係しないとつまらない男なんだと自分で実感する。
ふぅ……っと溜め息を吐いて、テーブルに頬杖を着いて俯いていた顔を上げると……。
視線の先にアカリを見付けた。
やっと戻ってきたか。
何を買ったのか小さな可愛い手提げの紙袋を大事そうに抱えて、幸せそうに微笑んでる。
……。
可愛いな……。
そのアカリの姿に、待たされて少し不機嫌だった気持ちが癒される。
単純な俺。
思わず微笑んでしまった瞬間、俺に気付いたアカリと目が合った。
すると恥ずかしそうに頬を赤らめて、俺に手を振る彼女。
俺が椅子から立ち上がって駆け寄ると、アカリはハッとした様に持っていた紙袋を鞄にしまって見せてくれない。
「……お待たせ!」
「なぁ、何買ってきたんだよ?」
俺が鞄を指差しながら尋ねると、彼女はふるふると首を横に振って微笑む。
「へへ~っ、内緒!」
「……。
俺に隠せると思ってんの?」
その気になれば、簡単にアカリの鞄を奪う事なんて俺には出来る。
ニヤニヤしながら俺が言うと、彼女は必死に鞄を抱き締めるように持って首を横に振る。
「……」
楽しいデートの筈が……。
俺は一人で休憩所の椅子に座って、アカリを待っていた。
一緒に買い物するのかと思いきや、着いた早々。
”一人で見たい物があるの。ヴァロンは少し待ってて!”
そう言ってアカリは行ってしまった。
一人で見たい物、か……。
まあ、女の子なんだし男と一緒じゃ買い辛い物もあると思う。
でも、何もデートの時に買わなくても……。
ハッキリ言って暇だった。
こうしてじっと待っているのも、苦手。
本当に、仕事が関係しないとつまらない男なんだと自分で実感する。
ふぅ……っと溜め息を吐いて、テーブルに頬杖を着いて俯いていた顔を上げると……。
視線の先にアカリを見付けた。
やっと戻ってきたか。
何を買ったのか小さな可愛い手提げの紙袋を大事そうに抱えて、幸せそうに微笑んでる。
……。
可愛いな……。
そのアカリの姿に、待たされて少し不機嫌だった気持ちが癒される。
単純な俺。
思わず微笑んでしまった瞬間、俺に気付いたアカリと目が合った。
すると恥ずかしそうに頬を赤らめて、俺に手を振る彼女。
俺が椅子から立ち上がって駆け寄ると、アカリはハッとした様に持っていた紙袋を鞄にしまって見せてくれない。
「……お待たせ!」
「なぁ、何買ってきたんだよ?」
俺が鞄を指差しながら尋ねると、彼女はふるふると首を横に振って微笑む。
「へへ~っ、内緒!」
「……。
俺に隠せると思ってんの?」
その気になれば、簡単にアカリの鞄を奪う事なんて俺には出来る。
ニヤニヤしながら俺が言うと、彼女は必死に鞄を抱き締めるように持って首を横に振る。
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