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第9章 (1)ヴァロンside
1-1
しおりを挟むアカリとヒナタ。
失ったら生きていけない、”家族”という俺の宝物。
白金バッジとシュウ。
17年間俺を支え続けてくれた、”夢の配達人”という仕事。
天秤にかけても、どちらに傾く事もない。
どちらも俺には大切で掛け替えのないもの。
空っぽだった俺の中に出来た光。
俺はようやく気付いたんだ。
大切じゃないものなんて、一つもない。
生きてきた年月、時間、その中で知り合った人、たくさんの思い出……。
全てが、俺を動かしてくれている。
どれか一つでも欠けたら、今の俺はいなかった。
大切な人は、いつもみんな祈ってくれた。
”そのままの自分でいなさい”って……。
俺の歩む道を信じてくれた。
今度は俺が、信じる。
俺が選ぶ道が、幸せに繋がると……信じる。
……
…………。
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