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第8章 (2)ヴァロンside
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しおりを挟むいつから起きていたんだろう?
仕事の事で夢中になって、すっかり注意を払うのを忘れていた。
まさか、アカリに仕事してる所を見られてしまうなんて……。
俺は気持ちを切り替えて、微笑んだ。
「どした?
あ、わり。電気、明るかったな……」
鞄を机に置いて椅子から立ち上がり、アカリに歩み寄ってそっと抱き締めると……。
彼女は首を横に振りながら俺の背中に手を回してギュッと抱き返してくる。
「……大丈夫。
目が、覚めちゃっただけ」
「……そか。
でも、身体冷やすと良くねぇから布団行くぞ?」
抱き上げて寝室に連れて行き、ベッドに降ろそうとするとアカリが俺に抱き付いたまま離れない。
また、心配をかけてはいけない。
俺はアカリの背中をポンポン叩いて顔を覗き込んだ。
「俺ももう寝る。
だから、一緒に横になろう?」
「!……うんっ」
俺の言葉に笑顔になるアカリ。
俺は電気を消すとベッドに仰向けになり、アカリに腕枕する様に抱き寄せた。
「……ふふっ。
ヴァロンとこうやって寝るの、久し振りだね」
照れた様に弾む声。
可愛い笑顔。
今俺がすべき事は、この笑顔と小さな命を守る事。
「あんま可愛い事言うな。
今は襲えねぇんだから……」
「っ……。ヴァロンのエッチ」
「知ってるだろ?今更何言ってんだよ?」
赤面するアカリの首筋に、俺はニヤニヤしながらチュッとキスした。
「きゃっ。
もぅ、ヴァロン……っ」
掛け布団に顔を半分隠してモジモジする、アカリが可愛い。
「おやすみ」
「……おやすみなさい」
閉じ込める様に彼女を抱き締めながら、俺は目を閉じて眠った。
……
…………。
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