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第4章 (2)アカリside
2-2
しおりを挟む「絶対に本性隠してるよ。
良い人のフリして、性格悪いんだろうな~」
「っ……そんな事ありませんッ!!」
我慢の限界を越えた私の声が、厨房に大きく響き渡った。
「何もっ……。
何も知らないのに、彼を悪く言わないで下さいッ……!!」
私は驚いた表情のユウさんに詰め寄って、反論の言葉を叫ぶ。
「っ……綺麗、なのは……。
見た目だけじゃ、ないもんッ……!」
たくさん傷付いて。
それでも他人に優しくて……。
いつも、自分の事より相手を気遣うヴァロン。
彼を輝かせてるのは、美しい心。
……それなのに。
「何も知らないのにっ……。
勝手に決めつけないで下さいっ!!」
感情が高ぶって、思わず私の瞳から涙が溢れてしまった。
そんな私を見て、気付いたようにハッとするユウさん。
「っ……。
あいつが……。アカリの彼氏、なのか?」
「!っ……ぁ」
勘付いたユウさんの問い掛けに、私は震えながら口を押さえた。
……っ……どうし、よう。
い、言っちゃた……ッ。
……わ、私のバカッ……っ。
ユウさんの顔が見れなくて俯く私。
黙り込んでいると……。
「ちょっと、ちょっと!
二人とも何を言い合ってるの!」
騒ぎを聞き付けて、いつの間にか店長や他の従業員のみんなが集まってきていた。
「何々?どうしたの?」
「それがね、アカリさんの彼氏がギルさんみたいで……」
「!……うそっ。ギルさん彼女いたの~?」
やり取りを見ていた子達の話を聞いて、辺りがザワザワとしている。
収まりがつかなくなって、どうしよう、と困惑していると……。
「僕に彼女なんていませんよ?」
厨房の入り口から、そうみんなに言うヴァロンの声が聞こえた。
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