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第2章 (1)アカリside
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しおりを挟む「そ、そうじゃ……なくて……。
私も、自分の為に……お仕事したいの!」
負けるもんか!
と私はヴァロンを見つめ返して話す。
「は、働くの……好きなの。
それに、今日食べに行ったパン屋さんがね?
すごく、美味しかったの……!」
私はお昼に食べたサンドイッチの味を思い出しながらヴァロンにもう一度働きたい気持ちを伝えた。
あの美味しさを思い出したら、つい表情がほころんで……。
私は自分で両頬を両手で押さえながら笑顔で話していた。
……すると。
じっと見つめていたヴァロンがフッと微笑って、私の頭をポンポンっと撫でてくれた。
「……いいよ。
アカリが働きたいんなら、そうしな」
「!……ホント?」
嬉しくて、私は笑顔でヴァロンに抱き付く。
「じゃあ明日、早速面接に行ってくる!
ヴァロンに美味しいパン焼いてあげるね!」
「……。
うん、楽しみにしてる」
ヴァロンの承諾を得て、私はすっかりご機嫌。
彼の頬にキスしてすりすりと甘えた。
「ヴァロン、大好き!
……あ、そうそう!
夕飯にもね、パン買ってきたの!
シチュー温めるから一緒に食べよ?」
そう言って夕飯の支度をしようと起き上がろうとした私を、再びヴァロンが抱き締める。
「……夕飯いいから、このままいたい」
「えっ?でも、お腹……空いてないの?」
大食いのヴァロン。
いつも帰ってきたら用意したご飯を全部お代わりして食べてくれる位なのに……。
首を傾げる私を見て、彼は優しく口付けると微笑んだ。
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