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第1章 (2)アカリside
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【港街/商店街】
「!……えぇッ?!」
「あの玉子焼き、ヴァロン様が作ったんですかっ?!」
私の告白に驚くレナとレイ。
今は二人に付き合ってもらってお買い物。
その最中に私はさっきの玉子焼きの試食を頼んだ理由。
そして落ち込んだ訳を話した。
「ヴァロンが完璧なのは素敵だと思うの。
当然、あんなに色んな事を極めてるのは彼の努力だもん……。
でも、私は妻として……。
じゃあ彼に、何が出来るのかな?って……」
少し俯くように道を歩く私。
17歳の時に花嫁修業はした。
でも、必死で頑張った習い事もヴァロンと結婚してから全く。
すっかり専業主婦に収まってしまっていた。
仕事が不定期なヴァロンと少しでも一緒に居たかったって理由もあるけど……。
何故、何か習い事を続けなかったのかと後悔。
「……。
アカリさんは、今のままで充分だと思いますよ?」
元気のない私の顔を覗き込んで、レナが横を歩きながらそう言った。
「あのヴァロン様が奥さんに選んだんですもん!
それってきっと、何か出来るとか、して貰いたい訳じゃなくて……。
アカリさんが傍に居てくれるだけで幸せなんじゃないですか?」
すると、私を挟んでレナの反対側を歩いているレイも「うんうん」と頷く。
「ヴァロン様はアカリさん命!って感じですもんね。
今日だってヴァロン様直々にボク達にアカリさんが心配だからって、頼みに来たんですよ?
ヴァロン様、ずっとお一人だったから……。
アカリさんが家で待っていて、出迎えてくれるだけで幸せなんですよ、絶対!」
レナとレイの言葉に、私はヴァロンが今まで自分に言ってくれた言葉を思い出した。
「!……えぇッ?!」
「あの玉子焼き、ヴァロン様が作ったんですかっ?!」
私の告白に驚くレナとレイ。
今は二人に付き合ってもらってお買い物。
その最中に私はさっきの玉子焼きの試食を頼んだ理由。
そして落ち込んだ訳を話した。
「ヴァロンが完璧なのは素敵だと思うの。
当然、あんなに色んな事を極めてるのは彼の努力だもん……。
でも、私は妻として……。
じゃあ彼に、何が出来るのかな?って……」
少し俯くように道を歩く私。
17歳の時に花嫁修業はした。
でも、必死で頑張った習い事もヴァロンと結婚してから全く。
すっかり専業主婦に収まってしまっていた。
仕事が不定期なヴァロンと少しでも一緒に居たかったって理由もあるけど……。
何故、何か習い事を続けなかったのかと後悔。
「……。
アカリさんは、今のままで充分だと思いますよ?」
元気のない私の顔を覗き込んで、レナが横を歩きながらそう言った。
「あのヴァロン様が奥さんに選んだんですもん!
それってきっと、何か出来るとか、して貰いたい訳じゃなくて……。
アカリさんが傍に居てくれるだけで幸せなんじゃないですか?」
すると、私を挟んでレナの反対側を歩いているレイも「うんうん」と頷く。
「ヴァロン様はアカリさん命!って感じですもんね。
今日だってヴァロン様直々にボク達にアカリさんが心配だからって、頼みに来たんですよ?
ヴァロン様、ずっとお一人だったから……。
アカリさんが家で待っていて、出迎えてくれるだけで幸せなんですよ、絶対!」
レナとレイの言葉に、私はヴァロンが今まで自分に言ってくれた言葉を思い出した。
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